9話 by朝陽 壮磨 ページ10
俺は家までの帰路を一ノ原先生の言っていたことを考えながら歩いていた。
……まさか一ノ原先生も思い出していたとはな。誰かしら思い出しているとは分かっていたが……
あの時なんで名乗りでなかったのかというと、彼女は俺の敵国側だからだ。恐らくいってくる辺り、正体までは分かっていない。
敵側を炙り出すため、9人の前でいったのだろう。人まで思い出していたら味方だけに言えばいいからな。
ふぅ、一ノ原先生のせいで、このままでは俺が組み立てていた計画が台無しになるかもしれない。それだけは阻止しなければいけない。
「あれ、先生?」
そこにいたのは、鈴蘭だった。
「おー四辻じゃないか!家族はどうしたんだ?」
「みんな、一ノ原先生が言ったことについて一人で考えたみたいで」
「そうか、お前は考えなくていいのか?」
「うーん、少し考えてみたんですけど、いろいろこんがらがっちゃって」
「ははは、そりゃそうだ!お前が一番大変そうだしな!」
「ええ、でも夢でよくそういう光景を見てたので、もしかしたらそれが前世の記憶なのかなって」
こいつも少し思い出しているのか。でも俺ほどではないな。
「そうかもしれないな。ところでそれが本当だと思うか?」
「ええ、嘘ではないかなって。わざわざそんなだいそれた嘘つく必要ないですし」
「それもそうだな。おっと暗くなって来たからさっさと家へ帰らなきゃな!気をつけて帰るんだぞ!」
「はい。ではまた学校で」
さて、これからどう行動するか。味方に有利に動かなきゃな
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作者名:新たな世界で参加者一同 x他7人 | 作成日時:2019年10月18日 18時