恋に堕ちて

第23話 ページ23

いつもとは違う夏油さんに

頭の中が真っ白になって
暫く固まっていると




夏『…なんてね』


そう言っていつもみたいに
優しく笑いながら 私の頭を撫でた。




夏『怖がらせちゃったかな、
ごめんね』


「いえ、大丈夫です…」





夏油さんは 先程と同じように
私へと歩幅を合わせて ゆっくりと歩き出す。



いつもの優しくて穏やかな姿と
さっきのいつもとは違う姿。
どっちが本当の夏油さんなのか

頭の中で ついさっきの出来事が
ぐるぐると回り
何度も巻き戻される。




心優しい彼の事だから
きっと 気をつけた方がいいって
注意してくれたんだろう。

今は 自分にそう言い聞かせて
納得する事しか出来なかった。

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