隣の席の山田君は、私の事が嫌いなようで。

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その日の放課後、私は誰もいない教室で1人頭を抱えていた。




貴『えーっと…遅刻と授業態度が……ん"ん"ぁあ"』


やばい！！

何書けばいいか分かんない！！



貴『反省文とかもうビリビリに破いて川に流したいんですけど…』



そもそも何書いたらいいの！？反省文って！！


遅刻の上に授業態度悪くてすみませんでしたーって？
そんなの2行足らずで終わるっつーの！！



原稿用紙2枚分とかどう埋めたらいいんだよぉお





貴『反省…ハンセイ…hansei…』


山｢…おい｣


貴『んー…何書こう…』


山｢…なぁって｣


貴『はぁー…』




やだもう帰りたい。

誰か代わりに書いてくれぇええい！！







山｢山田君の邪魔をしてしまい、申し訳ございませんでした。…って書いたら？｣






貴『あー…そっか。

山田君の邪魔をして……、ん？』




あるぇー？

誰もいないはずなのに隣から声が聞こえるゾー？





山｢そこ、邪魔。｣


………





貴『どぅええい！？！？』



生身の人間の声だと確信した途端、思わずビビって変な奇声を発しながら椅子ごと飛び退く。


そして声の主を見ると、ユニフォーム姿の山田君。

どこから！？どこから湧いてきやがった！？



貴『なっ…』


山｢だからそこ、邪魔なんだけど。聞こえないの？｣


貴『んぇ？…あ、あぁ、ごめん』



きっと山田君は、私の隣の自分の席に物を取りに来たのだろう。

通路を塞いでしまっていた私を見る冷ややかな目に少し怯みながらも、速やかに道を譲ってあげる。




貴『えっと…何取りに来たの？』


山｢…タオル｣



ガサゴソと机の中を漁りながら、ぶっきらぼうにそう呟く山田君。


…確かに、全身汗でびしょびしょだ。

タオルが無いとこれは辛そう。




貴『今、部活中？』


山｢……｣


貴『あー…確かサッカー部だったっけ？』


山｢……｣


貴『た、大変だねー』


山｢……｣





…なんかすげぇスルーされてる！！！


まぁ確かに優先順位はタオルの方が先だけど！！

ちょっとぐらい反応してくれてもいいんじゃないのかな？んん？








すると、



山｢…あった｣


タオル発見。

わーい、おめでとーう。




貴『ﾖｶｯﾀﾈｰ』



山｢……｣


貴『……』



そして、沈黙。





やぁだもう色んな意味で帰りたぁい。

っていうか、さっきからなんなのその徹底的なガン無視！！




嫌いなのか！？私の事が嫌いなのか！？

…あ、嫌いなのか。((自己解決

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