Short Story《超特急》

BULLET TRAIN #4 ページ10

『おじゃまします』

4「どーぞ。散らかってるけど」


どこが。

とツッコミたくなるくらい綺麗にされている部屋。




付き合っている彼の部屋に来るのは今回が初めて。

付き合って時間が経ってない訳では無いけど、いつも外に出てたから、俗に言うお家デートは初。


4「ん、俺の部屋行こ」

『はーい』


キッチンで二人分のお茶をいれてくれたたくちゃんの後ろをついて行く。



2階に上がってすぐそこのたくちゃんの部屋。


4「どーぞ」

『失礼しまーす』


中に入ってみると、まぁ言うまでもなくすっごく綺麗な部屋。



『…たくちゃんの匂い』




部屋の中に入ると、たくちゃんのいつもの匂いに包まれる。

…まぁ、当たり前だけどね、笑



4「A、こっち」


扉の前で突っ立っていると、たくちゃんが、座っているベッドのすぐ横をポンポンと叩く。


言われた通り、たくちゃんの隣に腰掛ける。



『…たくちゃんっていい香りする』

4「そう？」

『うん。
なんか安心する』


横にいるたくちゃんの顔を見ながらそう言うと、ふわっと優しい笑顔で笑うたくちゃん。


…いちばん好きな笑顔。


4「…俺さ、女の子部屋に入れるの初めてなんだよね」

『え、そうなの？
あるとおもってた…』

4「Aが初めてだよ。
だからほんとのこといえばちょっと不安だった」

『そっか…
でも、なんか嬉しい』


元カノとか、聞こうとは思わないけどきっといたはずだから…。


でも、いた中でたくちゃんの部屋に1番に入れたっていう優越感は誰にも譲れない。

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