Short Story《超特急》

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それから、ベッドの上に座ったまま、しばらく2人で喋り続けた。


たくちゃんがいれてくれたお茶の残りも少なくなり、会話が少し途切れた頃。


4「…なぁ」

『ん？』

4「抱きしめてもいい？」

『…なんで聞くの』


いつも聞かずにやるくせに。

…変にドキドキする。


4「じゃあする」


と言われた瞬間、両肩をつかんでたくちゃんの方を向かされ、そのまま正面から抱きしめられる。


私も、それに応えるようにたくちゃんの背中に手を回す。


たくちゃんの香りがぐんと近くなった。


4「…正直、めっちゃ我慢してた」

『そうなの？』

4「だって、部屋に2人だし、距離近いしさ」


そんなこと口に出して言われると変に意識しちゃうじゃん。


…現に、慣れているはずのハグに心拍数が上がってきた。


4「好きな人といるっていうのはいろいろヤバいの」


的確なワードを出されると、顔に熱が集中してくるのがわかる。

…絶対ドキドキしてるのバレてるよね。



4「今めっちゃドキドキしてるでしょ」

『…当たり前じゃん
たくちゃんのせいだよ』


抱きしめられたままそう言うと、抱きしめられる力が強くなり、首元に顔をうずめられる。
たくちゃんのふわふわな髪の毛があたってくすぐったい。


『…ん、たくちゃん、くすぐったい』

4「んー…、
まって、もうちょい」

くぐもった声でそう言われ、どうすることも出来ない。


ただたくちゃんのシャツを握りしめながら抱きしめていた。

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