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〜小瀧 side〜
とぼとぼと家に帰る。と、
「……え？」
玄関には、見慣れた靴。
リビングから漏れる光。
程なくして、
『……望くん、おかえり！』
リビングからAが、出てきた。
え、なんで……？
こんなはやく、帰ってきて、
しかもお風呂ももう済ましたんか、すっぴんに部屋着やし。
『……え、と……どう、する？ お風呂、入っちゃう？』
「え、あ、じゃあ、そうします……」
なんか分からんけど風呂に入る流れ。
とりま爆速で風呂から上がると
Aはテレビをつけるわけでもなく
床に体育座りをしていた。
「え、あの、Aさん、なんでこんなはやいん」
『……望くんに、話したいことが、あって』
え、なんなん……？
俺は緊張しながらAの隣に座った。
『……おじさんに、返すお金、全部貯まったの』
「え？」
『だから、その……本当は、サプライズとかしたかったんだけど、はやく望くんに会いたかったから、重岡くんに、望くんが帰ってるようにしてもらった、の』
「……え、やからしげ、あんなキョドって帰ってったん？」
『……キョドってたかは知らないど、たぶんそう』
「……なんやぁ……」
なんか、色んな安堵。
俺はAのことを優しく抱きしめた。
背中に回される腕が、いつも以上に嬉しくて愛おしい。
「……A、好き」
『私も、望くんのこと、好き。……大好き』
「……あんま可愛いこと言わんで」
『……ずっと言いたかったんだもん』
……そっか
Aなりに色々考えて、我慢してたんやな
俺は抱きしめていた腕を解いてAと目を合わせた。
「A、俺と付き合って。俺の彼女になって」
『……うん、なりたい、望くんの彼女』
「……んへへぇ、」
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作者名：ハルカ | 作成日時：2022年10月18日 18時
