愛していると、【桃】 (ページ50)

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～貴方 side～

望くんの腕の中で目を覚ました月曜日。朝9時

今日は3限から大学なんだけど
私何も持ってきてないから、早めに望くんの家を出て私の家に寄ってから大学に行こうって話になった。

朝が弱いらしい望くんは、電車の中で爆睡。

私の肩に寄りかかってきて
でもその重みがすごく嬉しくて心地いい。

『……私の家狭いよ』

「ん？別にええやん？」

『……引かないでね』

「引かんよ。俺をなんだと思っとんの」

ケラケラ笑う望くん。

私は意を決して家の鍵を開けた。

一日ぶりに帰る我が家。

……やっぱり、望くんの家より狭い

「うわ、もの少なっ。めっちゃ綺麗やん。いやまってキッチン使ってなさすぎ(笑) 」

「うわ！本むっちゃある！！これが学部首席の秘訣かぁ」

望くんは私の部屋を見るなり
驚いたり笑ったり。

ずっと何か話している望くんに適当に相槌を打ちながら、
バッグに教科書やパソコンを詰める。

そして私が軽くメイクをするのを、望くんは隣でじっと見ていた。

なんとなくやりにくかったけど
メイクを終えたら望くんすごく褒めてくれて

嬉しかった。

そして2人で、大学に行く。

3限目の授業は違うけど
4限目は同じだから

「また後でな」

『うん』

望くんとは、私の授業がある教室の前で別れた。

いつも来ている大学なはずなのに
つまらない授業のはずなのに

望くんがいるだけで、こんなに楽しいって思える。

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