愛していると、【桃】 (ページ5)

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～小瀧 side～

俺はすぐに駆け寄って顔を覗き込んだ。

間違いなく橋本さん、だった。

橋本さんは、俺の顔を見るなり驚いたように瞳を揺らす。

『……っ、だ、れ……？』

「……あ、ごめん。俺、同じ学部の小瀧」

『こたき、くん、』

橋本さんの背中は震えていた。

額に、汗が滲んでいる。

……そんなに汗かくほど暑くない……いや、
むしろ涼しいくらいなのに……

「……橋本さん、体調悪い……？」

『っ、だ、いじょうぶ、』

こんなあからさまやのに否定する橋本さん。

俺は橋本さんのおでこに触れた。

……熱い

「大丈夫やないやん。……家は？近く？」

『……ほんとうに、大丈夫だから、っ』

そう言ったけど、

「っ、橋本さん！？」

橋本さんはついに
力なく俺の方にもたれかかってきた。

……体も熱い

「っ、ごめん、おぶるで？」

ここから俺の家は近い。

……から、

連れて帰る、しかない

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