29 ページ29
.
〜貴方 side〜
小瀧くんは何もしてこなかった。
ただ、私のことを後ろから抱きしめて話をするだけ。
誕生日は？
血液型は？
好きな食べ物
好きな色
そんな他愛もないことをただただ話した。
ゆらゆら。
小瀧くんが揺れるから
抱きしめられている私もゆらゆら。
「ずっと言おうと思っとったんやけどさぁ、髪の毛真っ直ぐで綺麗やね」
『……縮毛してるから』
「あ、そうなん？」
『……ううん。嘘。地毛』
「なんやねんその伝わりにくい嘘！」
『んぁ、うるさい……』
……幸せ、だなぁ
こんな風に
普通に人と話せるなんて
もうないと思っていたから。
「なあー」
『なに？』
「……A」
『……ん』
「……笑って」
『……笑わせてよ、小瀧くんが』
「ほんじゃこっち見て」
『ん、』
小瀧くんは私のことを抱きかかえて
くるりと後ろを向かせた。
小瀧くんの膝の上に乗って向かい合う私たち。
優しく腰を引き寄せられる。
「うーん……なにしよう」
『決まってなかったの？』
「うん(笑)」
『見切り発車……』
「……じゃあ渾身の一発ギャグやる」
うんしょ、と私のことを膝から下ろして
小瀧くんは立ち上がった。
「……いくで」
『うん』
「……野草花火！！」
『……』
……野草花火……？
「……笑えし！！」
『……あはは』
「ヘッタクソな作り笑いやなぁ」
作り笑い、得意な方なんだけどなぁ……
でもなんでだろう
小瀧くんの前では、ちゃんと心の底から笑いたい
.
お久しぶりです。
作者のハルカです。
のんちゃんの別な小説を放置して新しいものを書いてしまいました。
ちなみにこちらは下書きで完成まで書いてあるので
すぐに完結させられるかと思います。
“小瀧、いとこ溺愛してます” の方はもう少々お待ちください。大スランプに陥っていまして……。
最期に、高評価やお気に入り登録などぜひよろしくお願いします。作者のモチベになります。
では、また明日更新しますのでお待ちください。
2022.10.16
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 245人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハルカ | 作成日時：2022年10月13日 5時
