小瀧、いとこ溺愛してます 1【桃】

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〜貴方 side〜

のんちゃんは力なく私の背中に腕を回す。

肩に顔を埋めては
グリグリと押し付けてくる。




『……のんちゃん泣かないで』

「泣いて、へんもんっ」

『嘘だぁ。ごめんね。強く言いすぎちゃった』

「……んーん。ええの。ええから、もーちょっとこうして、」




いいよ、そう言う代わりに私ものんちゃんの背中に腕を回す。


前に会った時よりも大きくなった背中。

最後に会ったのはいつだっけ。


確か、数年前にのんちゃんがアメリカに来てくれたんだ。


それからずっと会ってない。

けど、




『んふふ。のんちゃん相変わらず可愛い』




昔っから、私の弟みたいな、




「……可愛くない。かっこいいって言って！」

『のんちゃんかっこいいよ、一番かっこいい』

「んふふ。A好きー。大好きやよ」

『私も大好き』




半ば彼氏みたいな。

そんな関係。


いとこだけど、
こうしてハグもするし
なんならキスもする。

それ以上はしないけど。




「毎日こんな風にAと暮らせるの幸せすぎる」

『私も』




今日から私は、東京ののんちゃんのマンションに住む。二人暮し。

私が東京で働くことになった、ってのんちゃんに電話したら
「じゃあ一緒に住も！！！」って言われて

私ものんちゃんと一緒にいたかったからすんなり話は進んだ。




「帰ったらもっとイチャイチャしよな」

『……どうでしょう。荷解きが終わったらね』

「手伝うから早く終わらそ！」

『……はあい』




……田中さんがいるのになんてことを言うんだのんちゃんは。

せっかく濁したのに意味ないじゃん。


まあそれがのんちゃんなんだけどね




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