プロローグ ページ5
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「ただいま〜!」
しばらくすると玄関の扉が開く音がかすかに聞こえ、いづみの声が聞こえて来た。
「あっ、カントク先生と臣くんが帰って来たっす!」
勉強がひと段落ついた太一が玄関に繋がる扉を見てポツリと呟く。それから、30秒と経たないうちにリビングの扉が開かれた。
「もー、Aさん‼連絡もう少し早くしてくれたら良かったのに!そうしたらもう少しまともな歓迎が出来たのになぁ……」
「なんという既視感。いやー、悪いと思ってるよ?此処に来るのが楽しみで気づいたらもう天鵞絨町に着いてたんだもの。」
「遠足前日に眠れない小学生みたいっすね………」
「こら綴、聞こえてるから。」
キッチンの方から飛んで来た野次をいなして、リビングの扉付近で固まっている人物に声をかける。
「________さて、久し振りだね?臣。元気にしてた?」
「_____っ‼姐さ…Aさん……?ホントに……?」
「本物に決まってるでしょーが。目の前にいるのは正真正銘、嵐山Aですよ。……んで?元気にしてたかって聞いてんの。急に連絡する取れなくなってビックリしたんだから。」
そう良いながら、私は自分よりも大分背の高い彼の頭をグシャグシャと撫で回す。臣が、ちょっ、Aさん!とか言っているが聞こえない聞こえない。数秒と経たないうちに臣は抵抗するのをやめる。うん、数年前と変わらない。
「あー……急に連絡取れなくなったのは、すいません。俺は変わらず元気にやってますよ、それなりに。」
「なら良し。許す。」
「ちょ、ちょっとAさん、臣君と知り合いだったんですか⁉」
「あー、いづみは臣のやんちゃしてた時の事少し知ってるよね?私は、臣の親友の那智の実姉なの。だから、知り合いと言うか…姐弟と言うか…そんな感じ。」
「えっ、」
この後、いづみの驚いた声が寮内に響き渡った。
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しょうのすけ(プロフ) - たまたまさん» そういっていただけるととっても嬉しいです!更新不定期ですが頑張っていきます! (2018年1月27日 23時) (レス) id: c20e5c4d6c (このIDを非表示/違反報告)
たまたま(プロフ) - ぎゅんぎゅんする〜! 更新頑張ってください! (2017年12月31日 23時) (レス) id: 0907e86698 (このIDを非表示/違反報告)
しょうのすけ(プロフ) - Iunaさん» コメントありがとうございます!更新頑張っていきます〜! (2017年9月29日 22時) (レス) id: c20e5c4d6c (このIDを非表示/違反報告)
Iuna(プロフ) - 更新楽しみにしてます!!頑張ってください! (2017年9月28日 5時) (レス) id: 1960f5595d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しょうのすけ | 作成日時:2017年9月23日 22時