【A3!】ねえさん、【伏見臣】

9話 ページ18

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「んー？いづみ、どうしたの〜？」



「なんか、臣くんが困ってるみたいで。」



「そう……臣、どうしたの？」





俺の心の準備など関係ない。カントクが既にAさんに声をかけてしまっていた。





「あー、いや………今日の午後に写真部の集まりがあるんだが………今日被写体を頼んでたヒトが来れなくなって。……今、代わりの人を探してるんだ。」




こうなったら、俺が言うまでAさんが問いただして来ると言うことは目に見えてるので、素直に白状する。




「それで、私に頼んだんだけど、生憎午後に予定が入っちゃってて……。それで、Aさんなら空いてるかなぁ…と、声かけました！」





カントク……得意顔で言ってるが、俺にはちょっと勇気のいる事だったんだが………







「そういう事。それ位なら問題ないよ？私でよければその役引き受けるし。」




「…………なら、お願いしようかな。」




「よし来た。任せて！可愛い臣からの頼まれごとなら私、何でも聞いてあげる。」




「……ありがとう、Aさん。」








なんて言いながら、昔の癖なのか俺を屈ませて頭をわしゃわしゃする。ハハッ、ちょっと複雑だな………






俺は結局、あの人の中で俺は“弟”のままなんだ。






………それと、出来れば断って欲しかった。








だって俺の大学に来るってことは、俺の知り合いにAさんを紹介しなきゃいけないだろ………？

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