自分 ページ3
貴「あの、すみません」
ここはもう正直に言った方がいいかもしれない
私は女王じゃないってことを。
視線を執事さんに移すと、私が着替える気がないと思われたのかドレスを綺麗に片付けていた
なんですかと視線だけこっちに移しながら作業している姿はさすがだなって思った
貴「私、女王ではありません。一般市民です」
執事さんの手が止まり、こちらを見る
驚いてもいなく、だからといって信じてもいない、複雑な表情だ
貴「なんか、なんでしょう、、なんていったらわからないんですが、目が覚めたらここにいたんです。わたし、韓国っていうところに住んでるんです、、本当です！」
もう、それはそれは伝えるのに必死でなにいっているのかも自分でよくわからない
AR「か、かんこく、とは？」
貴「えっと、国です！！」
AR「そんな国は聞いたこともありません。現在の暦15年では全ての国は五カ国ですよ。寝ぼけるのもいい加減にしてください」
ぴしゃりと言い放つ執事さん
どうしても信じてもらいたい。その一心で私はベットから降りて執事さんに頭を下げた
頭上からは執事さんの驚く声
貴「本当です。この国の女王ではない、貴方の名前も知らない、政治もしらないただの女子高生です信じてください」
視界が床と自分の足。
頭上からはなにも声がしない。
視線は感じるが、困っているのがわかる
AR「たしかに、いつもの貴方なら私に敬語なんて使わないし、死んでも頭を下げない、、」
貴「信じますか？！」
AR「まだ信じたわけではないです。折角ですので街へ出かけてはいかがでしょうか？ 広間の挨拶は明日にしましょう。貴方の幼馴染を護衛につけましょう」
さ、顔を上げてくださいと、優しい声で諭される
貴「幼馴染とは？」
AR「本当に、貴方、、女王ではないのですか、、幼馴染を忘れるだなんて」
そういうと執事さんは出ていった
やっぱり信じてもらえないよね
私だってこの状況信じられないもん
すると、ドアからさっきの男の人がひょっこり顔を出した
JR「さ！街に出かけよう！話は聞いたよ！お買い物でしょ？」
私買い物したいって言ったかな
AR「街を歩いて早く思い出してくださいね、記憶喪失なんて笑えないです」
あれ、執事さん、いつ私が記憶喪失って言った？！
すると執事さんが私に近づき耳元で呟いた
私はアロンです。街に出て国の状況を知ってください
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作者名：儚 | 作成日時：2018年3月14日 19時
