全ては暑さのせい。【孤爪 研磨】 ページ5
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暑い。
冬の寒さも嫌いだが、夏の暑さは本当に参る。
早くこのアスファルトの上から、クーラーの効いた部屋の中に入りたい。
『けーんま。ちょっとアイス買ってっていい?』
「……いいよ。」
二人でコンビニに寄れば、少しは涼める。
Aが割と本気で悩みながらアイスを選ぶ。
『研磨はいいの?』
「いい。お腹、すいてないし。」
『ふーん。…あ、これにしよ。』
やっと決まったらしくレジへと持っていった。
入り口近くで待ってるとテテっと走ってくる彼女。
じゃ行こっか、なんて俺の家に行くのに先頭で進む。
「……A。」
『んー?なに、研磨。』
「……なんでもない。」
『えー、気になる…。』
家に到着し、鍵を取り出す。
ガチャッと開ければ元気な挨拶と一緒に入ってくるA。
そして、我が物顔で俺の部屋へと向かう。
特に何かを準備していくわけでもなく俺もあとを追う。
『研磨ー。クーラーつけていい?』
「もちろん。でも涼しくなるまで時間かかるね。」
『大丈夫。そのためのアイスです。』
ドヤ顔しながらアイスを取り出す。
俺の分は無いから、ゲームでもして時間潰すか。
「……。」
『……。』
……クーラーが忙しく動く音。
……ゲームの効果音。
……静かなこの空間には俺ら二人だけ。
『……っわ……、っ研磨?』
俺の腕の中で呟く彼女。
……ゲームオーバーの音が聞こえる。
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迷人 - このお話、キュンキュンしかしませんね…。爽やか文章、羨ましいです。テイクアウト可能ですか…? (2015年8月15日 2時) (レス) id: 0a7f61b567 (このIDを非表示/違反報告)
虚弱兎(プロフ) - 新作おめでとうございます!!短編集とても素敵です!!爽やかな文体とよく似合いますね!!憧れます(>_<)更新、無理せず頑張って下さいね~!応援しております!! (2015年7月30日 22時) (レス) id: bf235a5d37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:に ゃ 。 | 作成日時:2015年7月30日 21時