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『っそのまんまの意味だけど。』
「……いやー…。俺の中ではお前のこと、こういう風に見えてないから。」
『…え…。』
メモの内容。
私が何気に気にしていたこと。
《男っぽい私のどこがいいの?》
自分でもわかってるんだ。
女の子らしさなんて微塵もなくて、言葉遣いも男っぽい。
「メモ用紙、ちょーだい。」
『…ん。』
さらさらっと何か書いていく黒尾。
一通り書いたのかメモを折りたたんだ。
そのまま私の机の端に置いて、ぼそっと一言。
「これ…、結構恥ずいから俺のいないところで読んで。」
『……了解です。』
その後の授業なんて頭に入ってくるはずがなかった。
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好きです。
男っぽくても、
女子力なんて無くても、
そのままのAが好き。
俺にとっては一人の女の子だから。
俺と付き合ってください。
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『っ黒尾!』
「うおっ。……あー…、読んだ?」
『読んだ!』
黒尾は恥ずかしいのか手で顔を隠す。
……だから女子かっての。
『私が男っぽいから、女っぽい黒尾にはピッタリってこと?……そういう風に考えても、……いい?』
「……そういう理由をつけないと不安なんだ?」
今度 恥ずかしくなるのは私の番で。
黒尾と同じように顔を隠すのはなんか嫌だから、下を向いた。
「………じゃあ、そういうことで。」
パッと顔を上げると笑顔の黒尾。
さっきまで照れてたのはそっちなのに、私が照れると余裕になる黒尾がちょっと憎い。
だから、ちょっと意地っ張りになるのは許してね。
『言っておくけど!……私の方が先に好きだったんだから!』
ほら、参ったって顔して笑うんだから。
私の片思い歴、なめないでよね。
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全ては暑さのせい。【孤爪 研磨】→←隣のメモ用紙。【黒尾 鉄朗】
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迷人 - このお話、キュンキュンしかしませんね…。爽やか文章、羨ましいです。テイクアウト可能ですか…? (2015年8月15日 2時) (レス) id: 0a7f61b567 (このIDを非表示/違反報告)
虚弱兎(プロフ) - 新作おめでとうございます!!短編集とても素敵です!!爽やかな文体とよく似合いますね!!憧れます(>_<)更新、無理せず頑張って下さいね~!応援しております!! (2015年7月30日 22時) (レス) id: bf235a5d37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:に ゃ 。 | 作成日時:2015年7月30日 21時