隣のメモ用紙。【黒尾 鉄朗】 ページ3
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………女子か。
その言葉は頑張って飲み込んだ。
『……口で言え…。』
隣の席から回ってきたメモを見て、声を出してしまった。
聞こえてないかと焦って隣を見たけど、机に突っ伏していたようで聞こえてないらしい。
内心ほっとして…。
『……おい。』
「……なんだよ…。」
『こっちの台詞じゃ、ぼけ。』
顔の向きを変えてこっちを見てくる黒尾。
机に突っ伏してるせいで、せっかくの寝癖が台無しになりますよー。
『…これ、どういう意味?』
さっきのメモを見せながら小声で言う。
一応、今は授業中だから。
「え?そのまんまの意味だけど。…日本語も理解できねぇの?」
『…なっ…!』
出そうになる大声を必死に止める。
こんな態度だからこのメモも疑いたくなるんだよ!
『…付き合えって、どういうことだよ…。』
「だーかーら、恋愛の方でって書いただろ。」
『……っ。』
なんでコイツは恥ずかしげもなく言えるんだよ!
言われてるこっちの方が恥ずかしい。
話すのがキツくなったから、メモ帳を取り出して言葉を並べていく。
その後は二つ折りにして。
スッと隣に差し出せば、黒尾は迷いもなくすぐに開く。
「……?」
顔をしかめてこっちを見てくる。
いや、見られても困るんだけど。
『……なにさ。』
「どういう意味?」
『は…?』
コイツは…!
それなりに勇気出して書いたのに!
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迷人 - このお話、キュンキュンしかしませんね…。爽やか文章、羨ましいです。テイクアウト可能ですか…? (2015年8月15日 2時) (レス) id: 0a7f61b567 (このIDを非表示/違反報告)
虚弱兎(プロフ) - 新作おめでとうございます!!短編集とても素敵です!!爽やかな文体とよく似合いますね!!憧れます(>_<)更新、無理せず頑張って下さいね~!応援しております!! (2015年7月30日 22時) (レス) id: bf235a5d37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:に ゃ 。 | 作成日時:2015年7月30日 21時