検索窓
今日:1 hit、昨日:12 hit、合計:7,438 hit

隣のメモ用紙。【黒尾 鉄朗】 ページ3

.





………女子か。

その言葉は頑張って飲み込んだ。


『……口で言え…。』


隣の席から回ってきたメモを見て、声を出してしまった。

聞こえてないかと焦って隣を見たけど、机に突っ伏していたようで聞こえてないらしい。

内心ほっとして…。


『……おい。』

「……なんだよ…。」

『こっちの台詞じゃ、ぼけ。』


顔の向きを変えてこっちを見てくる黒尾。

机に突っ伏してるせいで、せっかくの寝癖が台無しになりますよー。


『…これ、どういう意味?』


さっきのメモを見せながら小声で言う。

一応、今は授業中だから。


「え?そのまんまの意味だけど。…日本語も理解できねぇの?」

『…なっ…!』


出そうになる大声を必死に止める。

こんな態度だからこのメモも疑いたくなるんだよ!


『…付き合えって、どういうことだよ…。』

「だーかーら、恋愛の方でって書いただろ。」

『……っ。』


なんでコイツは恥ずかしげもなく言えるんだよ!

言われてるこっちの方が恥ずかしい。

話すのがキツくなったから、メモ帳を取り出して言葉を並べていく。

その後は二つ折りにして。

スッと隣に差し出せば、黒尾は迷いもなくすぐに開く。


「……?」


顔をしかめてこっちを見てくる。

いや、見られても困るんだけど。


『……なにさ。』

「どういう意味?」

『は…?』


コイツは…!

それなりに勇気出して書いたのに!




next→

.

・2→←恋は甘いと言うけれど。【山口 忠】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

迷人 - このお話、キュンキュンしかしませんね…。爽やか文章、羨ましいです。テイクアウト可能ですか…? (2015年8月15日 2時) (レス) id: 0a7f61b567 (このIDを非表示/違反報告)
虚弱兎(プロフ) - 新作おめでとうございます!!短編集とても素敵です!!爽やかな文体とよく似合いますね!!憧れます(>_<)更新、無理せず頑張って下さいね~!応援しております!! (2015年7月30日 22時) (レス) id: bf235a5d37 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:に ゃ 。 | 作成日時:2015年7月30日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。