排球物語配給所。《ハイキュー!!》

たった５文字。【菅原 孝支】 ページ16

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スガさんに彼女ができた、という噂を聞いた。

所詮は噂話だって聞き流せばいいけど、そうはいかない。

……好きな人のことは、どうしても気になっちゃうんだ。


『スガさん！』

「おー、どうしたー？」


いつでも優しい、人懐っこい笑顔を浮かべるあなたが好きです。

好きです。好きでした。

彼女がいるって知ってるのに告白するのは変？

でも、伝えたいんだ。

私のわがままで、自分勝手でごめんなさい。


『好きでした。』


たった５文字だけだから許してください。

その５文字に私の気持ちを詰め込んで、全部、全部、吐き出してしまうから。

後には何も残さないから。

私とスガさんしか居ない体育館に静寂が訪れる。

ぎゅっと強く握った両手が震えてきた。


「……なんで勝手に過去形にしちゃうかなぁ…。」

『……え…、』


ぽそっと呟かれた言葉に、間抜けな声で反応する。


「俺も好き。……あ、俺は前から今もずっと。」

『そ、んなの…、私も、です…！』


一瞬だけ驚いた顔をして、ニカッと笑う。

その笑顔、好きです。

前から、今も、きっとこれからも。

好きでした、なんて過去形で終われるはずがなかった。


「……で？なんで勝手に過去形にしてたのかな？」

『……彼女ができた…って…。』

「どっから来たんだぁ？その噂。」

『……さぁ？』

「俺は前からAだけなのになぁ…。」


さらっと言ってくれましたね、スガさん。

……嬉しい、なんて言わないけど…。







次の５文字には、「あいしてる。」を。







『好きです。』

「俺は愛してる。」

『……恥ずかしくないですか？』

「…………恥ずい。」


私ももちろん、あいしてる。



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