ハマの天使ちゃん

ベンチにいない天使ちゃん ページ19

−倉本side−

Aを探しに行ったら
タケさんに抱えられているAを見つけた

倉本『A…？』

石川『クラ、トレーナー呼んできて！』

倉本『はい！』

俺はすぐにトレーナーを呼んで
少し大きめのバスタオルをタケさんに渡してAに掛けてもらった

『Aさんに変わったこととかありました？』

倉本『変わったこと…あ、最近何かに怯えている気がします』

石川『それなら俺も見た、昨日も話してる途中でスタンドに目を向けたら怯えてベンチ裏に戻って行ったかな』

『そうですか…とりあえずトレーナー室まで運びますね』

Aはそのままトレーナー室に運ばれた
今日はAが不在のまんま試合が行われた
いつもより静かなベンチだったけどなんとか勝って終わった

桑原『Aさんいないと寂しいですね』

筒香『こんなにベンチが静かになると思ってなかった…』

梶谷『倉本とか死にそうな顔してるもんな』

倉本『僕よりタケさんの方が死にそうな顔してますよ』

石川『そりゃね、妹みたいなやつだから』

俺が入団してきた時もAとタケさんは本物の兄妹みたいで仲良しだった
ちょっと羨ましいな〜なんてたまに思ってたりもする

柴田『誰か！Aさん止めてください！』

慌てて柴田が入ってきたから
急いで医務室に行ったらAが暴れていた痕跡が残っていた

梶谷『A！やめろ！』

A｢いっ…嫌です｣

床にしゃがみこんでいたAは自分の首に刃物を押し付けていた

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