今は何故かアイドルです (ページ6)

今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:70,355 hit

デビューページ6

.

『君達4人でグループを組んでもらう。それで半年後の12月にデビューも決まっている』

「は？」

デビューが決まったその日、私が代表にした返事は「は？」の一言だった

今思い返してみても思うけど、どう考えてもおかしい

だって私以外の3人はちゃんと練習生期間を積んだ実力のもった人達

非公開練習生ではあるが、裏事情にも詳しかった私はもちろん知っていた

それに比べて私はただSMに所属している曲を作っている学生

しかも年齢を聞いたところみんな私より年上である

「いや、私は、これからも作曲だけで十分で......」

『Aのその歌声で曲のガイドだけは勿体なすぎる』

「さらっと本名ばらすのやめて頂けますか？」

歌は確かに好きどころか大好きだけど、ダンスなんて習ったことないし踊ろうと思ったことも無い

かろうじてTWICEさんのTTは踊れる。手だけ

『まあ、この子らは例えるならマークが3人いるとでも思ってくれたらいいよ』

「......全員カナダ出身なんですか？」

Ad(アド)「ぶっ、！笑」

『実力が、マーク並だ』

ゆっくり彼らの方を振り返り、なんだかんだで初めて顔をしっかり見る

3人とも顔立ちがはっきりしていてパーツが整っていて確かに事務所が好きそうな顔

それでいて溢れる自信を胸にしてこのデビュー発表を聞いていたように思えた

「わ、私......」

『君の選択で、この子達の運命も変わる』

「それ、は、」

『大丈夫だ』

『君たちは必ず成功する』

心臓がどくりと大きな音をたてる

これは私が初めてSMに楽曲を提供する時、渋っていた私に代表が言ってくれた一言だった

「わ、たし、アイドル、......」

「やり、ます。」

.