懐古 ページ14
____桜舞う4月の話。
「うわっ。すっげぇ変な前髪」
開口一番、躊躇いもなく、出た本音。
「これから仲良くすべき同級生に発する第一声が、それか…………!!」
高専の1年の教室。夏油傑は、うげぇと顔を歪めた。
「しょうがないよ。御三家のお殿様だもん」
と、夏油の肩をポンと叩いて慰めるのは家入硝子。
「…あ?なんだと?」
「「こっワー」」
イラつき、ガンを飛ばす。
周りの人間に、こういった反応をされるのは初めてだったから、初めのころはいちいち噛み付いていた。
「俺から1本とれたら、同級生って認めてやるよ」
傲慢そのものといった五条の様子に、夏油と家入は呆れ果てた顔をした。
「うわぁ…。私、パス。別にコイツと同級生じゃなくてもいい。そんな身分いらない」
そう言って、マイペースな家入は、2人を置いてどこかへ行ってしまう。
「………オマエは?」
1人残された夏油に、五条はそう問いかける。
サングラスの下の六眼は、爛々と輝いていた。
「受けて立つさ。君とは“仲良く”したいと思ってたんだ」
「…あっそ!」
2人して、グラウンドに出る。
術式の発動準備。さぁ、どう攻めるか_______
その時だった。六眼が、異質な呪力を感知する。
____ぬるり。
そして、呪符などの媒介もなしに、大量の呪霊が顕現する。
「呪霊操術か………!!」
「物知りだね、さすが」
媒介なし、予備動作なし。1度に顕現した呪霊の階級。
正直、舐めていた。
こいつの術式の格は、間違いなくかなり高い。
「術式順転_______“蒼”」
グラウンドの土ごと、呪霊をえぐりとる。数体の呪霊を、瞬殺せしめた五条に、夏油は目を丸くする。
「これが、無下限呪術の“無限”か!何をされたのか全く理解できない…………素晴らしいな」
と、言いつつもえぐった呪霊の分は、即座に補給される。
「さぁ、手合わせといこうか!」
_______若く、強大な“力”がぶつかり合った。
その後、呪術の無断使用と、グラウンドをめちゃくちゃにした罪で、2人は夜蛾に、みっちり絞られることになる。
だが、確かに言えることは。
この2人はその決闘を経て、親友となったということだ。
*****
「____私たちは、最強なんだ」
楽しい時間は、みるみるうちに過ぎて行く。
____そしてそれは、ある事件によって完全に終わりを告げる。
呪術界の要、天元様からの任務。
天内理子の護衛と、その抹消。
____俺達は失敗した。
____これ以上ない程に、敗北した。
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おるた(プロフ) - えとさん» 感想サンキューソーマッチです!!そうなんですよ……私も傑最推しなので……………最後まで読んで頂き、ありがとうございました! (2021年3月31日 17時) (レス) id: f5b2ddd409 (このIDを非表示/違反報告)
えと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!傑推しなのでこの作品に出会えて良かったです!!!推しが報われて本当に良かったなって思いました...!素敵な作品ありがとうございました! (2021年3月31日 16時) (レス) id: fd1beeb0fc (このIDを非表示/違反報告)
おるた(プロフ) - 終夜さん» 感想ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))めっっちゃ嬉しいです………ニヤニヤが止まらないです笑笑 (2021年3月30日 19時) (レス) id: f5b2ddd409 (このIDを非表示/違反報告)
終夜(プロフ) - アッ誤字ってしまった…。()友人にも布教させてください… (2021年3月30日 18時) (レス) id: be63cd896a (このIDを非表示/違反報告)
終夜(プロフ) - 完結おめでとうございます…。本誌の夏油傑が報われなさすぎて絶望しかなかったけど、こんな素晴らしい小説に出会わせてくれてありがとうございます…!推しが報われない→夢主投下。天才が此処にいた。年末の映画までリピート読まさせて頂きます…!! (2021年3月30日 18時) (レス) id: be63cd896a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おるた x他1人 | 作成日時:2021年3月25日 20時