2日目�� ページ4
今日は撮影がなくて良かった。
とりあえず、編集だけは済まそうとソファにだらしなく凭れながらパソコンに向かう。
金魚は、俺の弄るパソコンを物珍しそうに見ている。
『てっちゃん、これなぁに？』
「んー、パソコン」
『ぱそこん？なにそれ？』
「んーー、不思議な道具」
『ふしぎなどうぐ…』
金魚は普通の人間と違って知らないことが沢山ある。
それを1から教えるのはなかなか大変なので適当にはぐらかす。
金魚もさして気にしていないみたいだ。
「金魚、お前はいつまでその体なんだ？」
『んー、わかんない！起きたら人間になってたんだもん！』
金魚は白い歯を覗かせてにへーっと笑う。
そのうち金魚に戻るのか、それともこのままなのか、全く神様というのはとんでもないイタズラをして行ったようだ。
「てか、金魚。お前名前ないの？」
『んー、昔てっちゃんが付けてくれてたけど、仲間はいっぱいいたからどのお名前が自分のお名前だか分からないんだよね』
「へぇ、俺なんて名前付けたっけ？」
そう尋ねると、金魚は んー、と口をへの字に閉じて人差し指で頭をつんつんと啄く。
こいつの癖はこの仕草らしい。
『えっとねぇ、キンタローでしょ？きんちゃんでしょ？キンタマって言うのもあったなぁ…』
「……なんかすまん」
小学生の俺は相変わらず名前のセンスは無かったようだ。
目の前の女の子には正直どの名前も当てはまらない。
じーっとその顔を見つめていると、金魚は俺の視線に気付いたようでにぱっと笑った。
『てっちゃん！名前付けて！』
「俺がぁ？」
『そう！てっちゃんに、名前付けて欲しい！』
そう言って白い頬を桜色に染め、かなり期待した眼差しでこちらを見つめてくる。
今更金魚、と言うか女の子に名前を付けるなんて、頭が上手く回んねぇなぁ…
と思いつつじっと金魚の顔を見ていたら、何故かふと思いついた1つ。
「A」
『A？』
「あ、いや…」
『Aー！素敵なお名前！！てっちゃんありがとう！』
金魚はワンピースを尾びれのようにパタパタと靡かせて喜ぶ。
何となくで浮かんだ名前だったけど、金魚が喜んでくれるなら、まぁいっか。
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えみ - 話が美し過ぎた… (2020年7月20日 3時) (
レス) id: 4b46f7439f (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - *ameto*さん» ありがとうございます！曲とともに見て頂けて嬉しいです。イメージ通りのお話になっていたでしょうか？是非また他のお話も見て下さると嬉しいです！ありがとうございました！ (2019年9月6日 0時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» ありがとうございます！今回は今までの橙さんとは違った雰囲気のお話だったので、不安でしたがそう言って貰えて嬉しいです！でもやっぱりラブラブなお話が書きたくなるので、また次の橙さんに期待していて下さい！ (2019年9月6日 0時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
*ameto*(プロフ) - 完結おめでとうございます。こうなるとわかっていても避けられない、2人の運命にうるっと来ました…。神曲を教えてくださって、こんなに素晴らしい作品を読ませていただいて、本当にありがとうございました！ (2019年9月3日 0時) (レス) id: 7b77494f9e (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結おめでとうございます！執筆お疲れ様でした！毎度のことながら、素敵なお話をありがとうございます！ヨウさんの書く橙さんが大好きです！心がギュってなって、きゅんってなって。次回作も楽しみに待ってます！また橙さんをお願いします！！！ (2019年9月2日 18時) (レス) id: 318cc8d8b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨウ
| 作成日時：2019年8月27日 11時
