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『ごめんなさい…！』
その声に俺は飛び起きた。
隣を見ると涙をボロボロと流すAがいて、こちらを見るとさらに瞳を濡らす。
その姿を見ていられなくて、そっとその頭を抱き寄せた。
そっと頭を撫でると彼女の口からはゆっくりと吐息が漏れる。
包んだその体はカタカタと小さく震えていて、小さな手はガリガリと鎖骨を引っ掻いていて掻かれた部分は赤く滲んでいく。
その手を止めさせるようにそっと握り締めた。
肩を摩ってやると、少しずつ落ち着きを取り戻してきたようで、その震えは少しずつ収まっていった。
何度も会ったことあるのに、彼女とこんなに近い距離で触れたのは初めてで、改めてAとの体格の差や少し絡めた足先の小ささ、握った指の細さを感じた。
俺なんかよりも1回りも2回りも小さくて、思いっきり抱き締めてしまえば弾けて消えてしまうんじゃないかと不安になった。
Aの目線は不安定に右へ左へと揺れていてその目に俺は映っていないようだ。
それでもいい。
少しでも俺の体温で落ち着いて貰えるなら。
どれくらい経ったか分からないけど、ぼーっとしていたAも少しずつ戻り始めて、気づいたかのようにその握っていた左手を隠すかのように自分の背中に回す。
ゆっくりと俺を見上げるその目は恐怖に怯えていて、グッと口に噤んだ。
「…落ち着いた？」
『…うん、もう、へーき。だから、大丈夫』
そう言って俺の体をグイグイと右手で押す。
その力は限りなく弱くて、それでも俺を突き放すように押す。
その右手を優しく握るとビクリと体を揺らして、あからさまな態度に胸が痛む。
それでも、いいと決めたのは、俺。
「平気じゃ、ねぇだろ」
『平気だよ…』
「強がるなよ」
『強がってない…！』
また悲しそうに歪むその顔をもう見たくなくて、強引だけどその右手を引っ張ってその小さな体を掻き抱く。
呆気に取られた表情をしてたけど、そのあとの俺の胸に隠れて見えない。
「俺の事はさ、受け入れてくれんくてもいいよ。でも、俺はお前のこと受け止めたいんだ」
それが嘘でもなんでもない、俺の本心。
『…聞いたって、何の得もしない』
「損とか得とか、そんなの考えてない。そんな簡単な気持ちじゃない」
俺を見つめる瞳は迷っているのかユラユラ揺れている。
「俺にだけは、嘘なんてつかないで」
今だけは嘘の奥底に隠れたキミに触れていたい。
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ヨウ(プロフ) - Ｒｕｒｉ＊さん» 前作に引き続き今作もご愛読ありがとうございます！確かに、てっちゃん置いてけぼりでしたね…その辺も詰めの甘い作品になってしまい申し訳ないです….ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年2月13日 18時) (
レス) id: 91827dbe31 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒｕｒｉ＊ - 「サブリミナル。」の方でもコメントさせて頂きました。てっちゃんがどうなったのか気になってしまいます笑 これからも体調に気をつけて頑張って下さい！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 4d62ef8048 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - こつぽんさん» ありがとうございます！更新速度は落ちてしまうかもしれませんが、これからも頑張りますのでどうぞ宜しくお願い致します。 (2019年2月10日 15時) (レス) id: 91827dbe31 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - なーゆさん» 辛すぎました…こまめに保存しておかないとダメですね…！ (2019年2月10日 15時) (レス) id: 91827dbe31 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - 孤黒さん» 前作からこちらまで読んでいただきありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません。何とか完結させたので読んでいただけると幸いです。 (2019年2月10日 15時) (レス) id: 91827dbe31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨウ
| 作成日時：2019年1月28日 19時
