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目を覚ますと私はベッドの上にいて、どうやってここまで辿り着いたんだっけ、と寝惚けた頭をフル回転させる。
時計を見ると朝7時。
こんな遅い時間に目を覚ましたのは久しぶりだ。
メイクも服も昨日のままだったのに気付いて慌ててシャワーを浴びに行く。
シャワーの流れる落ちる音しか響かない浴室で、冷たいまま頭から水を被る。
シャワーから出てスマホを見るとLINEが届いていて、開くとアイツからで。
何気なしに目を通すと「昨日はごめん」のその一言だけで。
何に対して彼がごめんと言っているのか分からなくてぼーっとその言葉を見つめていたらまた新しいメッセージが届く。
「着飾らないお前の方がお前らしいって思った」
着飾らない私。
どんな私だろうか。
嘘をつきすぎて本当の私が私には見えないって言うのに。
メッセージを返す気にもならなくて、何気なくトークルームをスライドさせると映し出される「ブロック」の文字。
そのボタンを押そうとしてふと思い出したタクシーの中での彼。
LINEを交換してすぐブロックしてもいい？と尋ねたら呆れながらも可笑しそうに少し寂しそうに笑ったアイツ。
今ここで思い出したのが何だか悔しくて苦しくて。
結局何も出来ずそのままアプリを閉じた。
『どうしろっつーの…』
左手の薬指が鈍く痛む。
そこからは別段変わらない日常を送っていて。
毎日仕事しては自宅に戻るの繰り返し。
そんな時に、あの人からメッセージを貰った。
てつやAちゃん久しぶり。また飯でも行かん?
前の自分だったら飛び跳ねるほど喜んだだろうに。
何故か今はその気持ちが起こらなくて。
でもてつやさんの事が気になっているのは今も変わらない事実なので、そのメッセージに対してすぐにOKを出す。
日時は来週土曜日夕方。
ちゃんと予定が固まってくると段々実感が湧いてきて少しずつ楽しみな気持ちが沸き起こってきた。
今は全部忘れていつもの私に戻ろう。
じゃないと私が私を見失ってしまうから。
待ち合わせ場所は前回と変わらない名古屋駅。
指定された待ち合わせ場所へ行くと既にてつやさんはいて、帽子を少し目深に被りマスクをしていたが、ちらりと覗くオレンジ色の髪の毛が彼だと教えてくれる。
駆け寄るとてつやさんはヒラヒラと手を振ってくれる。
『ごめんなさい、お待たせしました』
「全然待ってないよ、行こっか」
そう言って左手を包まれると、あの人を思い出した私が嫌いだ。
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ヨウ(プロフ) - Ｒｕｒｉ＊さん» 前作に引き続き今作もご愛読ありがとうございます！確かに、てっちゃん置いてけぼりでしたね…その辺も詰めの甘い作品になってしまい申し訳ないです….ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年2月13日 18時) (
レス) id: 91827dbe31 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒｕｒｉ＊ - 「サブリミナル。」の方でもコメントさせて頂きました。てっちゃんがどうなったのか気になってしまいます笑 これからも体調に気をつけて頑張って下さい！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 4d62ef8048 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - こつぽんさん» ありがとうございます！更新速度は落ちてしまうかもしれませんが、これからも頑張りますのでどうぞ宜しくお願い致します。 (2019年2月10日 15時) (レス) id: 91827dbe31 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - なーゆさん» 辛すぎました…こまめに保存しておかないとダメですね…！ (2019年2月10日 15時) (レス) id: 91827dbe31 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - 孤黒さん» 前作からこちらまで読んでいただきありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません。何とか完結させたので読んでいただけると幸いです。 (2019年2月10日 15時) (レス) id: 91827dbe31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨウ
| 作成日時：2019年1月28日 19時
