まっくらな世界 (ページ9)

今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:2,256 hit

9 ページ9

大樹｢だから、先程「叩かないで、父さん」……と、言っていたのか…まだ小さいAにそんなことをするなど許せん！！」

ゲン｢うん、だから司ちゃんはAちゃんを"今"起こしたのかもね」

羽京｢司的に言うと穢れた大人達の思考に染まることのないこの世ならAも左右されることなく生きれる、ということかな」

ゲン｢うん、そうだね。この時代ならこの子は伸び伸びと羽を癒し自由に飛び立てるだろうね。だから、杠ちゃん大樹ちゃん羽京ちゃん

三人には特に心を開いてると思うからこれからも色々教えてあげて？そんで仲良くしてあげて欲しい」

羽京｢僕……は、あまり話せてないし監視のような関係性だから心を開いてくれているかはわからないよ？」

ゲン｢ﾌﾌ心を開いてなかったらこの子は自分から手を取ったり何かをあげたりしないよ」

杠｢そうだねそれに羽京くんといる時のAくんはなんだか嬉しそうだもん」

大樹｢ああ！だからきっと大丈夫だ！！！」

羽京｢そっか、そうなら僕も嬉しい…かな……」

くいっと帽子のツバを掴み目を隠すように下に下げた
ゲンはちらりと羽京を見ればその顔は嬉しそうに笑っているように見えた

ゲン｢俺も後二日しかAちゃんの隣にいれないからさ、一応これでもけっこー焦ってたのよ。三人なら安心して任せられるよ」

羽京｢ゲンはどうしてそこまでAを気にかけてるの？」

ゲン｢ん～……

長年の共演者仲間ってのもあるけどテレビの前じゃないのに面と向かって俺のマジックショーが好きだって言ってくれたこの世でたった一人の俺の大好きなファン、だからかな

ま、そんなのがなくても俺はAちゃんのことが好きだからってのもあるけどね」

愛おしそうに見つめ、我が子を撫でるかのような手つきで彼に触れるその姿は友達という関係を優に超えているのではないか…と羽京と杠は思った