まっくらな世界 (ページ4)

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ゲン｢…………っ

ﾊｧｯﾊｧ

あっ！！やっと見つけたぁ！んも～ゴイスー探したのよ？Aちゃん」

『…………うん』

杠｢あ、さっきは教えてくれてありがとうございました！私は杠でさっきの人は大樹くんっていうの…！ここではお洋服を作ってます、よろしくね」

『杠、大樹…………

ん、覚えた』

杠｢え！？」

ゲン｢この子人の顔とか覚えるの速いのよ」

杠｢そ、そうなんだ！？すごいね！！Aくん！

一度見ただけで覚えるのは私達でも難しいのに……」

ゲン｢そうね～、大樹ちゃんはまぁ、インパクト強いから覚えられやすいかもしれないけど…」

杠｢あははたしかに

……？Aくん？」

ゲン｢…………、さっきから喋ってないけど大丈夫？」

『………………

す、ごい、？おれ、が…………？』

杠｢うん！勿論！！それはとてもすごいことだよ……！！」

"Aくんは凄いね"…………何度も浴びせられてきた薄っぺらい言葉
薄っぺらい笑顔、、

でも、杠の言葉や俺に向ける笑顔はどれも嘘じゃなく本心で…

初めて、損得もないこの世界で、俺を褒めた初めての人…………
父さんも、周りの大人も、誰もしてくれなかった

俺は、生まれて初めて

誰かに頭を撫でられた