まっくらな世界 (ページ12)

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『………………ぇ

ゲンが今日からいなくなる？』

ニッキー｢え……？Aあんた知らなかったのかい？司の指示でね、こことは違う原始的な村ってとこに偵察してくるってずっと前から決まってたんだけど…

ってA！？走っちゃ危ないよ！！

まったく、世話が焼けるね…………で？あんたはいいのかい？＿＿＿＿＿羽京」

羽京｢………………今の僕には、合わせる顔がないよ」

くいっと帽子のツバを下げ彼の後ろ姿を見つめて羽京は踵を返した

ニッキー｢………………はぁ、ほんっとうに世話が焼けるね…あの子から目を離せないくせに後をつけるほどに心配なくせに、なぁにが合わせる顔がないんだか」

一方司に挨拶をし終わったゲンはそろそろ出発しようと気持ちを固め足を目的の方向に向けて少し歩いたころ、ゲンの名を大声で呼ぶ声がした

普段ならそんな大声は出さないような子の、俺のことが大好きでそんなファンが俺も大好きな、俺にとって大切な子……

ゲン｢Aちゃん……(走ってきてくれたんだ…？)」

『俺、おれ！まだ、なにも返せてないよ、ゲンっ』

ゲン｢！」

『待ってる、から！いつか、ゲンにも…プレゼントとか、お礼とかもっともっと！したい、から！！

それに、まだいっぱい、いっぱい！教えてほしいことがあるんだ！！けがしてもいい、遅くなってもいいから……俺に、またゲンのマジック、見せてね』

ゲン｢………………っ！

……うん、Aちゃんのプレゼント楽しみにしてる。マジックもたーくさんしてあげる、俺の帰る場所はキミの所だからまっててね

俺は嘘つきでぺらっぺらな男だけど、Aちゃんには絶対嘘つかないから」

『うん、ゲンは絶対約束守ってくれるって信じてるよ』

ゲン｢行ってくるね」

俺がまた、Aちゃんに会えるのはいつになるかわからないけど
絶対、キミとの約束だけは守るから…

そしたらまた、その声でその子供らしく笑う笑顔で

俺の名前を呼んで

俺のマジックで一喜一憂する様を見せてね

俺にとってそれが一番の報酬なんだ