眠り姫は睡眠中に巻き込まれる

9眠目(中編) ページ29

？｢･･･そろそろ起きてくれる？｣ﾕｻﾕｻ
『･･･んー、やっと着いたの？･･･え、すいません、ここは何処ですか？あと、どちら様ですか？(何ココ？･･･病院？)』
？｢(本当に寝てたんだ･･･。)ここは浅井医院っていう小児科で、私はここの医者の浅井成実よ。
貴女、ここらでは見ない顔よね。着いた、って言ってたし東都から来たの？｣
『あ、はい。米花から来た翠間枕です。
･･･えっと、それで私は何故ここに居るんでしょうか？
(確か地元の子っぽい男の子に迷子だと思われて連れてこられた筈だけど、一応聞いとかないと。)』
浅井｢(まさかの米花民･･･。その割には危機感薄くないか？)ここに偶に来る子が迷子が居た、って連れてきたの。
でも寝てるみたいだし交番に連れて行くにしても話を聞いてからの方がいいと思って、起こす事にしたの。
完全に迷子って訳でもなさそうだけど、あとで交番には連れてってあげるから、あと少しだけ待っててくれる？適当に座ってていいわよ。｣
『(よし、合ってるな。それにしてもこの人、何というか性別不詳だね。)
ありがとうございます。
･･･あ、クラシックのCDが結構ある。お好きなんですか？』
浅｢ええ、父の影響でね。私も少しはピアノやってたし。｣
『へぇ！凄いですね。私は楽譜はゆっくりしか読めないのでピアノでクラシックとか到底出来ませんから。･･･そういえば確かに先生の指、綺麗ですねー。』
浅｢そんな事ない、Aちゃんの手の方が綺麗よ。私なんかよりずっと、ね。｣
『(｢私なんか｣、ねぇ？)･･･やだなぁ、そんなに褒めても私の連絡先くらいしかあげられませんよー？(笑)』
浅｢いや、そう簡単に連絡先渡しちゃダメでしょ(笑)･･･ほら、片付けも終わったし交番行くわよ。｣ｶﾞﾁｬｯ ｽﾀｽﾀ
『ちゃんと相手は選んで言ってますよー。(思い詰めるくらいなら話聞いてあげたいけど、流石に初対面じゃ無理か。)』ｽﾀｽﾀ

浅｢Aちゃん、ほらここが交･･･ってまた寝てる！？(何か心配になるなぁ･･･。)こら、起きなさい！｣
『ふあっ･･･。あ、すいません。･･･ここですか？』
警官｢おー、なるみ先生じゃないか、珍しいねー。今日はどうしたんですかのー？｣
浅｢この子、翠間枕ちゃんっていうんですけど、観光で来たらちょっと迷っちゃったみたいで。｣
警官｢おー、そうかそうか。それはご苦労様じゃったのー。喉乾いたろう、どれ、お茶出すからちょっとそこ座っときなさい。ほら、先生も。｣
『･･･いつから私は茶屋に。』
浅｢･･･確かに都会じゃ珍しいかもね。｣

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