眠り姫は睡眠中に巻き込まれる

9眠目(前編) ページ28

GWだから教授達も休みたいのか、講義も休みになり、親も休みを取れたので時間に追われない長閑(のどか)な島に旅行に来ることになった。
でも月影島とか聞いた事ないよ。どこからこんなマイナーな島見つけてきたの、母さん･･･。

――東都からの連絡船上

『でさー、長閑さを求めてきたのに選挙活動でうるさいとか本末転倒にも程があるよね。』
ｴｲｷ〈島自体の知名度がかなり低いから新しい情報が手に入りづらいのは仕方ないね。〉
『っていうか、この島って他に何が特徴なの？有名な物とかある？』
ｴｲｷ〈えーっとちょっと待ってて･･･。
うーん、少し前に有名なピアニストがいたらしいけど亡くなってるし、･･･海でも眺めてれば？〉
『いやそんなの東都でも出来るし！･･･いいよ、とりあえず寝てるから何か起きたら起こして。』
ｴｲｷ〈それこそAさんはいつでも寝てるじゃん･･･。〉


ﾎﾞ- ｼｭ-

ｴｲｷ〈ほら、Aさん着いたよ！起きてー。〉
『Zzz...』ﾋﾟｯ
ｴｲｷ〈あっ、電源消しちゃ･･･〉ｼ-ﾝ
『･･･Zzz』ｽﾀｽﾀ
母｢･･･あら、Aはどこに行ったのかしら？｣
父｢さっきまでそこで立ったまま寝てたんだけどなぁ。多分この降りる人達に流されたんじゃないか？
･･･携帯も電波繋がらないし、あとで交番にでも行ってみるか。
もう大学生だし、米花じゃないからすぐ殺されることもないだろう。｣
母｢まぁ、それもそうね。旅館に荷物預けてからにしましょ。｣


少年｢ん？･･･なぁ、姉ちゃん。こんな何もない所でどうしたんだ？迷子か？｣
『･･･Zzz』
少年｢何も言わねぇなー。1人で怖くなっちゃったのか？俺も手伝ってやるから元気出せよ！
･･･全然返事しねぇ。どうすっかなー。
･･･あ！じゃあ、先生のとこ連れてってやるよ！女同士なら安心だろ！ほら行こうぜ！｣ｸﾞｲｯ
『Zzz...』ｽｸｯ ﾃｸﾃｸ


少年｢せーんせー！｣
？｢･･･あら、どうしたのゆうたくん。今日はどこ怪我したの？｣
少年｢違うー、今日は俺じゃねーよ。なんか迷子っぽいのが居たから連れてきたー。｣
？｢迷子･･･、え？この女の人？｣
少年｢そー、なんか見ない顔だしあっちの方で1人でポツーンと椅子に座ってたからきっと迷子だろー？｣
？｢人を待ってたかもしれないでしょ、･･･っていうかこの子寝てるけど。｣
少年｢え！？寝てんの！普通にここまで一緒に歩いてきたよ？｣
？｢寝たまま歩いてたんでしょうね。
とりあえず、この子は私が預かるからもう帰りなさい。ありがとね。｣
少年｢分かった、先生またなー！｣

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