眠り姫は睡眠中に巻き込まれる

5眠目(前編) ページ16

翠間枕 高校2年生

今日は休みなので、家で友達のモブ郎に勧められたMMORPG(少し前からずっとやっている)をやってる。
戦ったモンスターを手に入れて育てることも出来るゲームではあるんだけど、それはよくあるから置いておく。
このゲームの特徴の1つに多彩なアバターのモーションがある。モーションというのは手を振ったりお辞儀をしたりするアレだ。
私は今、モンスターがうじゃうじゃいる草原でそのモーションを繋げて、アバターでダンスを踊っている。
ちなみに今はハレ〇レユカイ。途切れずにモンスターに邪魔されずに踊りきれば成功。
くそっ、あと少しなのにモンスターに攻撃されそう。また始めからかな･･･？
そう思ってると、突然別のプレイヤーがそのモンスターを叩き切ってくれた。あ、フレンドの【あーくん】さんじゃん。
･･･よし、終わった！思わず万歳モーションもさせちゃう。それを見たあーくんさんがチャットしてきた。

あーくん〈こんにちは。またスリーピーさんしょうもない事やってるねw〉

分かるとは思うけど【スリーピー】というのが私のアカウント名だ。某屋根の上で寝てる犬のキャラではない。

スリーピー〈しょうもない事って酷いw でもあのタイミングでモンスターに攻撃されてたら、始めからやり直しだったから助かったよ。〉
あーくん〈どういたしまして。でも観客も無しでやってるし、ホント技術の無駄遣いでしょw
そういえば最初に会った時もそんな事してたよね。 あの時はソーラ〇節だったけど。曲のチョイスもやっぱりおかしいw〉
ｽﾘ-ﾋﾟ-〈えー、いいじゃんソー〇ン節。ところであーくんさん、最近見かけなかったけどリアルが忙しかったの？〉
あーくん〈うん、それもあるけどちょっと悩んでて。〉
ｽﾘ-ﾋﾟ-〈おっ、悩み事？話せる範囲でいいから聞かせてよ！1人だとドツボにはまるよ。〉
あーくん〈分かった。･･･えっと僕、お世話になってる人がいて、お仕事でもプライベートでも一緒に頑張ってるんだ。
でもたまたまその人が秘密にしたかった事を僕が知っちゃって、どうすればいいか分かんなくなっちゃって。〉
ｽﾘ-ﾋﾟ-〈どうすれば、って脅しでもするの？金をせびる？それともいう事聞かせる？(ワクワク)〉
あーくん〈いやいや！まさか！僕は本人が嫌なら他の人に言うつもりは無いよ。ってスリーピーさん、なんでちょっと楽しそうなのw
･･･でもその人は僕が誰かに言うんじゃないかって恐れてるみたいなんだ。〉

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