眠り姫は睡眠中に巻き込まれる

小話1 ページ11

2眠目の少し後位 翠間枕 中学1年生

ある日、学校から帰って喫茶店で勉強をしていると目の前の席とその隣の席に、突然誰かが座ってきた。
普通、一言声掛けするもんじゃない？と思いながら顔を上げると、去年の冬の爆弾事件でお世話になった萩原さんとその友達の松田さんだった。

『あ、お久しぶりです。仕事帰りですか？』
萩｢あれ、Aちゃんのこと驚かせようと思ったのに。でも久しぶりー、元気そうだね。｣
松｢よー、久しぶりだな嬢ちゃん。今日は寝てねぇんだな。｣
『コーヒー飲みまくってますから。エスプレッソ3杯目です。2人でお茶でもしに来たんですか？』
松｢(カフェインは効くのか。)･･･カフェイン中毒になるぞ。｣
萩｢いやぁ？仕事終わって松田の個人的な調べ物に付き合ってたら、窓からAちゃんが見えたから声かけようと思って。
･･･で、勉強してんの？宿題とか？｣
『宿題とは別の課題、ですかね。私、基本授業中寝てるので理解度を図る為とかいう建前の先生達の八つ当たりです。』
松｢お前な･･･。授業くらい起きてろよ。何か眠気対策は無いのか？･･･例えばそのコーヒーとか。｣
『授業中ずっと起きてようと思ったらそれこそ中毒になるくらい飲まないとダメですね。
･･･こんだけ飲んでも20分くらいしか起きてられないので。』
萩｢強〇打破とかはー？あとは辛いガムとか。｣
『あれも30分起きてられればいい方ですかね。ガムも前に試したんですけど、噛み締めたまま寝てました。』
萩｢ガム食ったまま寝たら喉に詰まらせるかもしれないから危ないよ！？｣
松｢･･･じゃあ大人しく課題やるしかねぇな。どれどれ、どんな問題やってんだ･･･？
･･･ってこれ割と難関の高校の入試問題じゃねぇか？A、お前まだ中1じゃなかったか？｣
『何故か段々出される問題のレベルが上がってくんですよねー。中3までの教科書読ませてもらったのでまぁ、解けるんですけど。』
萩｢解けるんだ！？･･･凄いね、俺でも大分忘れたからあんまり解けないんだけど。
っていうか、Aちゃんって寝てる割に成績良いよね。頭良いんだねー。｣
『そりゃ、教科書読んでれば解けますよ。体育は寝ながらでも出来ますし。』
萩｢いや、普通出来ないから。｣
松｢いい加減、お前はそろそろ自分が特殊だって事を自覚しろ。｣
『まぁ、少しは変わってるかも知れないですねー。』
萩・松｢｢絶対少しじゃない(ねぇ)だろ。｣｣

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