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『みんなが私に記憶を思い出させないようにしてたのは、前と同じような結末を避ける為…そして、千里、貴女が』
「誰かに告げ口したら、Aを殺す、そうやって脅した、この世界なら、前ほどあんた殺すのにも手間かからないし、現実味が有りすぎたんだろうねぇ、全員、馬鹿みたいに従順で、まるで、前のあんたみたいだったわ」
空を見上げて、清々しい笑顔を浮かべる千里。
記憶を思い出し、かつみんなからも証言して貰える。
彼女に勝ち目はない、それなのに、それを理解しているはずなのに。
『もう前みたいに、貴女の言いなりにはならない』
「…あんた、まだ気付いてないの？」
『…何に？』
「はは、あははっ！あんた達って本当に馬鹿！この世界に、何で私がいると思う？何でこの世界に、大嫌いなあんたらが、大好きな彼らがいると思うの！？」
彼女は両手を広げ、身体全身で幸せ絶頂を表現するかのようにくるりと回った。
気味が悪い。
この世界に、彼女がいる理由？
…あれ、そう言えば、私は、悪役令嬢で…待って、私は、誰にとっての悪役令嬢なんだ…？
だって、どう見ても、悪役は、彼女で…。
『ま、さか…』
「…みーんな、私のハッピーエンドのために尽くしてくれてありがとう、お礼に、殺しはしないであげる」
『…無理よ、だって、彼らはみんな婚約者がいて…千里だって気付いてるでしょ、彼らだって、みんなのことそう簡単に離すわけが…』
「またお得意の現実逃避？じゃあいいよ、教えてあげる、もう、あんたには居場所がないってこと」
千里の指から放たれた音が、周りの空間を黒く染めた。
互いのことは見えている、だけど、手を伸ばしたら直ぐに闇があるような。
…私は知ってる、この場所を。
「ねえ、神様、私の役は一体何？」
「僕が聞いたのは、ヒロインだったかな」
『っ…！ぴくと、さん…』
「久しぶり、元気だった？」
『どういうことですか！千里が、ヒロインって…』
「どうもこうも、僕はこの世界を作る時に言われたままの役を与えただけだよ、グルッペンさんから伝えられた、君への悪役令嬢、そして、彼女へのヒロイン、間違いはない」
そんなはずない。
私が死んでも、彼は私を愛してくれていた。
前世でも、今だって、私のことを…。
『…あ、れ…？』
その確信は、何処からやってくるのだろうか。
この世界の目的が分からない以上、私にその可能性を断言できる根拠は、何処にもない。
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書籍姫 - 控えめに言って泣いた。好き。 (5月24日 14時) (
レス) @page28 id: e3ea7725f8 (このIDを非表示/違反報告)
セエレ(プロフ) - こんな神作がホイホイ見つかるもんだからこの界隈はやめられねえ… (5月24日 2時) (レス) id: b81e176fb0 (このIDを非表示/違反報告)
セエレ(プロフ) - 完結おめでとうございます！思ってたのと360°くらい違ったのにお気に入り小説のBest3に入るくらいの神作でしたよ…もう一度で二度どころか十度くらい美味しかったです…ご馳走様でした…書籍化して良いと思うこの小説. (5月24日 2時) (レス) id: b81e176fb0 (このIDを非表示/違反報告)
なな - コメント失礼します！想像を斜め上行く神作でした！！他の作品も見てみますね！！ (2022年12月14日 19時) (レス) @page27 id: 7cadbb1f0e (このIDを非表示/違反報告)
ぽぺに(プロフ) - 神作品です！大好き！ちょっとメリバちっくな所大好きです！ (2022年7月10日 10時) (レス) @page27 id: bcadc0cb73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：五千時 x他1人 | 作成日時：2020年4月19日 13時
