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「グルッペン、連れてきたで」
手を引かれて、半ば無理矢理部屋に入る。
転びそうになりながらも足を必死に動かして、何とか体勢を少し崩した程度で済んだ。
顔をあげれば、十数名の男性と、一人の女性。
パーティーの日に見た、金髪の彼、総統がいると言うことは、この人達は皆幹部なのだろうか。
「A！会いたかったゾ！」
『お久しぶりでございます、グルッペン様』
「何だ、そんな堅苦しい敬語はやめないか、今日から夫婦なんだぞ」
彼がこちらに歩み寄り、両頬を掴んでは放ったその言葉。
手紙にも書かれていた通り、妻に迎えると言うのは本当だったのだな、と呑気に考えていた思考をクリアにするように、その場にいた人達からの驚きの声が上がった。
…何で驚いてるの、この人達。
「ぐ、グルさん！一体どう言うことやねん！夫婦って、聞いてへんのやけど！」
「二つ隣の国の貴族の娘だ、この間のパーティーで知り合った、今日から俺の妻だ」
「いやいやいや待ってや！なん、そんなの、まず相談すらされてへんのやけど！？」
「お前が、出会ってすぐの奴と婚約とかだけはするなって言ってきたからだろ」
「当たり前やろ！お互い大して知りもしないのに！」
「というか、お嬢さん、随分落ち着いとるな」
『え…手紙が、数日前に、届いたので…』
「ちょっと見せてもろていいですか…」
目の下に隈ができた大柄な男の人が、眉間に皺を寄せてそう話しかけてきた。
大人しく差し出すと、その手紙を読んでさらに眉間の皺が濃くなっていた。
周りの人もそれを横から読んで、呆れたり、驚いたり、反応は様々だが。
「…」
明らかに、ある一人だけ異様に睨みつけてくる。
目を逸らしているが、睨んできているのは、唯一私以外に女性としてこの場にいた人だ。
話の内容を聞くに、グルッペンさんは何も言ってなかったようだし、彼女が彼を狙っていたなら、私はとんだ泥棒猫ということになる。
…なんてこった。
「うわ…グルちゃん、あんたこれ送ったん…」
「よくこの手紙読んで来よう思ったな、というか親も許したんかい」
「いや、うちから手紙来て断ろうなんて思わんやろ、ましてや平和国家の名家なら尚更やで」
「あんたねぇ！何ですかこのめちゃくちゃな手紙は！グルさん普段まともに手紙書いてへんからこんなんになるんでしょうが！」
「簡潔に内容をまとめただけだ」
何ともまあ、騒がしい。
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五千時(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます！凄く嬉しいです！励みになります〜！更新頑張ります！！ (2020年4月16日 19時) (
レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - このお話最高です！推理要素もあってとても楽しめます。今ある話まで一気読みしちゃいました笑更新頑張ってください！！ (2020年4月16日 18時) (レス) id: abc489c33a (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - Black Aliceさん» コメントありがとうございます！夢主以外の視点も書きます！近々その話が出ると思いますのでお待ち下さい！ (2020年4月13日 19時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
Black Alice(プロフ) - とても面白い小説に巡り会えたと心から思える程、面白かったです!1つ質問なのですが、夢主以外の視点は書いたりしますか？ (2020年4月13日 18時) (レス) id: 10501c80b3 (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます！いやぁぴくとさん黒幕で使うの夢だった…！更新頑張ります！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：五千時 | 作成日時：2020年3月30日 22時
