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『…』

「あはは、そんな見つめて、本当にお気に入りなんですね」


ぴくとさんによって、綺麗に黒い薔薇が庭園の中に、新しい彩りとして飾られた。
他の色に混じると、さらにその暗色が際立つ。
それが、あまりにも綺麗で。
明るい色の方が、気分も上がるし、私は一般的な思考の持ち主だし、ここまで黒に執着するとは、自分でも思わなかった。


『自分でも不思議です…何でこんなに目が惹かれるんでしょう』

「僕はてっきり、グルッペンさんのイメージカラーだと思ってましたけど」

『ぴくとさんは、グルッペン様に一番似合うのは、黒だと思いますか?』

「そうですね、昔二人でお話しすることがあったんですけど、ほら、僕花屋をやってる身だから、好きな色は、ってよく聞いてしまうんですけど、黒は、変わらないから好きだって言ってて、それから、僕はずっとグルッペンさんに対して、黒色のイメージしか持てなくて」

『変わらない…』

「そうなんですよ、やっぱり、国のトップに立つ人は言うことが違いますよね、カリスマ性っていうんですかね」


黒は、確かに変わらないけれど、変わらないことほど、退屈なものはないんじゃないだろうか。
私みたいに、世界ごと変わってしまうのは、少しやり過ぎだけど、変化を求めるのが人間で、国の総統であるならば、進化を、変化を、高みを求めるものだろうに。


『そう言えば、少し前に、黒い薔薇の花言葉と一緒に、おっしゃってましたよね』

「え、何をです?」

『黒い薔薇は、私とグルッペン様の為にあるような花である、と…あの意味、お聞きしても?』

「あ、もしかして、その意味について考えてたんですか、あんな熱心に…」

『意地悪を言うなら、そうですね』

「うわ、本当に意地悪だ、本当はそこまで気になってなかったんでしょう?」

『確かに、ふと思い出しましたけど、理由があるならお聞きしたいですね、今はとても興味があります』


…やっぱり、何処かで聞いたことのある声だ。
前世の記憶が、曖昧に蘇ってるのか。
それとも、似た声と重ね合わせてしまっているのか。
そんな風に、また考えてしまう。
彼は少し悩んだ後、微笑みながら言った。


「僕、答えとか簡単に教えたくない性格でして、なので、少し謎解きしませんか」

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五千時(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます!凄く嬉しいです!励みになります〜!更新頑張ります!! (2020年4月16日 19時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - このお話最高です!推理要素もあってとても楽しめます。今ある話まで一気読みしちゃいました笑更新頑張ってください!! (2020年4月16日 18時) (レス) id: abc489c33a (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - Black Aliceさん» コメントありがとうございます!夢主以外の視点も書きます!近々その話が出ると思いますのでお待ち下さい! (2020年4月13日 19時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
Black Alice(プロフ) - とても面白い小説に巡り会えたと心から思える程、面白かったです!1つ質問なのですが、夢主以外の視点は書いたりしますか? (2020年4月13日 18時) (レス) id: 10501c80b3 (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます!いやぁぴくとさん黒幕で使うの夢だった…!更新頑張ります! (2020年4月12日 22時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:五千時 | 作成日時:2020年3月30日 22時

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