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バレたなら隠す必要もない。
そう思ったのか、彼女はヒロインの誰かと一緒に、私がよく行く庭園や噴水、廊下や階段の角によく現れるようになった。
そして、いつも決まったように、隠れる痛みをヒロイン達に与えてから、私を嘲笑う。
「…A、様…その…」
『これ以上は、見逃せないわ』
「…」
何十回と繰り返されるこの一連の流れに、私は疲れ果てていた。
探ってはいるが、彼女達が抵抗しない理由もわからず、傷ついている場面に出会しては、千里さんの嘲笑いを見るだけ。
…どうして、私には何の危害も与えてこないのだろうか。
精神的に追い詰めたいのだろうか。
『話してくれないかしら、知っているのよ、私が幹部様にした報告を全て、勘違いだと貴女達が弁明していること』
「…」
『っ、いい加減にしなさい！小さな傷でもいつかは貴女達を壊す決定的な大傷になるのよ！その腕の痣が永遠に残れば、きっと冷ややかな目で、幹部様と共に見られることになる、そんなこと、言われずとも理解しているはずでしょう！』
我慢ができなかった。
私は無傷で、ただただ傷つけられていく彼女達が、助けを求めることできないなんて。
初めて怒鳴った私に驚いたのか、涙目で、薄紫に変色した腕を抑える彼女。
絹のように美しい肌では、余計に目立つ。
『幹部様も、心配されていたのでしょう、その時貴女は何と言ったの、心配しないで、何ともない、とでも言ったのかしら、同じ婚約者という立場であるだけの私でさえこんなにも怒りを覚えるのに、幹部様が何も思わないはずがないでしょう！ましてや、そんな我慢を口にしたのならば、なおさらよ』
「…申し訳、ありません」
『そんな言葉が聞きたいんじゃないのよ、話して欲しいの、貴女達を縛るものを』
「……それだけは、できないんです…」
とうとう泣き出してしまった。
いつもそうだ、こうやって問い詰めても、彼女達の涙を見た瞬間、踏み止まってしまう。
駄目だ、このままじゃ。
『どうして…！』
「分かってください…！どうしても言えないんです！私だって、こんな辛い思いしたくないです！でも、今ここで私が話してしまったら、他の方の努力も、私自身の努力も全て水の泡なんです！」
『何を言っているのか全く理解できないわ！例えそれほどまで守らなきゃいけないものだとしても、貴女達が傷つく理由が見当たらない！』
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五千時(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます！凄く嬉しいです！励みになります〜！更新頑張ります！！ (2020年4月16日 19時) (
レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - このお話最高です！推理要素もあってとても楽しめます。今ある話まで一気読みしちゃいました笑更新頑張ってください！！ (2020年4月16日 18時) (レス) id: abc489c33a (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - Black Aliceさん» コメントありがとうございます！夢主以外の視点も書きます！近々その話が出ると思いますのでお待ち下さい！ (2020年4月13日 19時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
Black Alice(プロフ) - とても面白い小説に巡り会えたと心から思える程、面白かったです!1つ質問なのですが、夢主以外の視点は書いたりしますか？ (2020年4月13日 18時) (レス) id: 10501c80b3 (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます！いやぁぴくとさん黒幕で使うの夢だった…！更新頑張ります！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：五千時 | 作成日時：2020年3月30日 22時
