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本を片付けて、図書室の管理者であるエーミール様に一言お礼を述べてから、お茶会へと向かう。
今日は良い天気だ、舞い飛ぶ蝶々が一段と輝いて見える。
廊下の途中、空いていた窓から腕を伸ばし、鳥と戯れたり、陽気に惑わされながらも、着いたお茶会の席は、ヒロイン達によって華やかに彩られていた。
全員勢揃いじゃないですかやだ〜、キラキラしすぎてサングラス必須案件なんですが。
「A様、こちらの席にどうぞ」
『ありがとう、みんな集まったのね』
「ちょうど時間が空いていたので、この時期は特に忙しいわけでもありませんし」
「こんな風に集まるのも、入隊試験や建国記念のパーティーが近づくと、難しくなりますからね」
赤い瞳のあのメイドさんも、今日は休暇を貰っていたようで、隣の席を勧めてくれた。
会話の流れに乗って、進んでいくお茶会の準備。
お菓子作りが好きだという、茶髪の彼女と深緑の瞳の彼女は、プロかと言いたくなるほどに形の整った、綺麗で多彩なお菓子を並べ、満足気に、できました！と言いながら席についた。
『今日は本当に良い天気ね』
「ええ、本当に、ひとらんらん様が喜んでいらっしゃいました」
「また始まったわ、惚気話」
「良いじゃないですか、皆さんのそういうお話、私興味ありますよ」
「まあ、恥ずかしいのはわかりますけどね」
「何言ってるの、恥ずかしいなんてことないわ」
「見栄っ張りなんですからぁ」
可愛らしい会話の中、どうやってこの子達に嫌われようかと悶々と考えていた。
しかし、身体に傷をつけるようなことはしたくない…。
やはり手段は言葉のみ、でも、どんな言葉がこの子達は一番傷つくのか。
思考錯誤すればするほど、脳は糖分を欲しがる。
甘味に手を伸ばそうとした時、ヒロイン達の表情がほんの少し曇っているのに気付いた。
「これ…しょっぱい…」
「…っ、お、お塩とお砂糖、間違えちゃいました…ど、ど、どうしましょう…」
どうやら、茶髪の彼女がお菓子作りに失敗してしまったらしい。
涙目だ、可愛い。
しかし、私は、紅茶は無糖で飲む派である。
さながら、甘味も、嫌いではないが、グルッペン様やオスマン様のように好むわけでもない。
コネシマ様のように、苦手だと声を大にしていうわけでもないが。
「え、あ、いけませんA様！」
必死に止められたが、皆食べているのに私だけ食べないのも、それに折角作ってくれたのだから。
そう思い、口の中にお菓子を入れた。
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五千時(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます！凄く嬉しいです！励みになります〜！更新頑張ります！！ (2020年4月16日 19時) (
レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - このお話最高です！推理要素もあってとても楽しめます。今ある話まで一気読みしちゃいました笑更新頑張ってください！！ (2020年4月16日 18時) (レス) id: abc489c33a (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - Black Aliceさん» コメントありがとうございます！夢主以外の視点も書きます！近々その話が出ると思いますのでお待ち下さい！ (2020年4月13日 19時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
Black Alice(プロフ) - とても面白い小説に巡り会えたと心から思える程、面白かったです!1つ質問なのですが、夢主以外の視点は書いたりしますか？ (2020年4月13日 18時) (レス) id: 10501c80b3 (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます！いやぁぴくとさん黒幕で使うの夢だった…！更新頑張ります！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：五千時 | 作成日時：2020年3月30日 22時
