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「ああ"あ"ぁ"あ"あ"あッッッ!!」
女は叫び声が研修棟に響き渡る。
叫び声が無くなると同時に女は倒れる。
それに友ちゃんが駆け寄る。
「…ただの気絶だな。」
友ちゃんが確認すると、貝田から離れ口を開く。
「貝田 戦闘不能!
よって、勝者 加藤!!」
「咲。」
背後から名前を呼ばれて振り向く。
そこにいるのはどこかのトサカヘッド。
「黒尾さん。」
「お前意外と強いんだな。」
「何ですか、急に。」
「想像以上の実力だったから驚いてな。」
「ふーん、ありがとうございます。」
「おうよ。」
黒尾さんと話していると友ちゃんに名前を呼ばれる。
「加藤。」
後ろから声がし振り向こうとした瞬間、予知魔法の
それは、友ちゃんが私の左肩に掠るギリギリの所に鍼を投げてくる光景。
手加減している様で速さ的にはあまり速くないし、威力もあまりない。
あからさまに手加減をしている友ちゃんに少し腹が立つ。
友ちゃんが放った鍼を右手の人差し指と中指で挟んで止め、今度は私が友ちゃんの方にそれを投げ返す。
当然友ちゃんに当たるわけでもなく、それはとめられる。
鍼をとめた友ちゃんの表情は期待通りとでもいうように嬉しそうだ。
友ちゃんの表情とは反対に私は眉間に皺を寄せる。
「そんなに手加減されるほど私弱くない。」
イラついた表情でそう言う私に友ちゃんは笑いながら「すまんすまん。」と返す。
「さっきかなり手加減してた様だからね。
加藤の本当の実力を見ようと思ったんだけど、これでも手を抜いた様だね。」
「…私、友ちゃんのそーゆー所嫌いだわ。」
「私は加藤好きだぞ?」
私の言葉にニコニコ嬉しそうに返してくる友ちゃんを無視して友ちゃんから離れようとする。
友ちゃんから離れようとすると、友ちゃんの手を叩く音で、私の目線も周りの目線も友ちゃんに行く。
「よおーし。
これで加藤の実力もそれなりに分かったって事だし。
第3体育館に行って体術の練習するぞー。」
友ちゃんのノリの軽さに呆れながらも、モブ達と話しながら第3体育館に向かう。
「咲ちゃんだっけ?」
そこそこ顔が整っている名前の知らん子が話しかけてきた。
私の勘ではこいつそこまで強くない。
それにこいつは何か薄っぺらい。
苦手なタイプだ。
「そうだけど、君は?」
「僕は
好きな様に呼んで。」
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作者名:咲 x他1人 | 作成日時:2016年12月21日 2時