俺とあいつ (ページ11)

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女の人ページ11

？「和くん？」

「…え？」

名前を呼ばれ振り向くと見覚えのある女の人がいた。

？「久しぶり！」

「ええっと…」

？「もしかして覚えてない？」

「すみません…」

？「そっかーまあ、連絡先交換したのにあの1回だけだったもんね、まぁ付き合ってもいたけど…」

悲しそうに微笑むその顔を見て思い出した。
あいつに翔に何となく似てたんだ。
付き合ってもいた。
でも、実際に2人だけになっていたのは1回だけだった。俺が2人になることを避けていたんだ。

「…木下さん」

木下「やっと思い出してくれた？…もう桜とは呼んでくれないんだね」

木下桜…
凄く美人で有名で男女関係なくモテていた。
マドンナ的な存在だった。

「お久しぶりです…」

木下「相変わらずだね」

「はい」

木下「ちょっと時間ある？」

「すみません。探さないといけない人がいまして」

木下「もしかして、翔くん？」

「…え？」

木下「いや、翔くんぽい子がさっきここにいて、声をかけようと思ったんだけど電話しててなんか怒ってるみたいだったから声掛けられなかったんだよね」

「何処に行ったか分かりますか？」

木下「いや、その後お友達に会っちゃって話してたら何処かに行っちゃった。電話してみたの？」

「それは…しました。」

木下「出なかったか…相当怒ってたからね。私からしようか？」

「連絡先知ってるんですか！？」

木下「うん笑私の妹が翔くんの知り合いで私も交換してもらったの」

「電話してもらってもいいですか？」

木下「いいよ！」

プルルル

『はい』

木下「翔くん出たよ！」

木下さんは小声で教えてくれた。

「何処にいるか聞いてもらっていいですか？」

木下「OK！(小声)…翔くん？久しぶり！さっき翔くん見かけたのに声かけようと思ったらどっか行っちゃうんだもん、ねぇ、何処にいるの？そっちに行くからお茶しない？」

『別にいいですけど…その前に1つ聞いてもいいですか？』

木下「うん…？どうしたの？」

『近くにゲーマー…いや、和いますよね？微かにですけど声が聞こえる気がするんですよね』

木下「な、な、な、なにいってるの？いない！居ないよ！」

急にテンパリ始めた木下さんを見て気付かれた事を悟った。

「ちょっと、変わって貰っていいですか？」

木下「え？大丈夫？」

「はい」

木下さんから携帯を受け取り耳に近付ける。