10話 ページ10
夢主side
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「Aは幼馴染がイケメンで良いよねぇ」
「ほんとよ。羨ましい〜」
夏が近づく間頃。そろそろセミがなく頃かな、なんて思いながら自販機で買った冷たいペットボトルのお茶を口の中に流し込み、喉を潤す。
先程から友達の話に耳を傾けてみれば、イケメンの幼馴染が羨ましい、だの少女漫画みたい！だの言っている。
『…そうかなあ、』
私は首を傾げる。確かに幼馴染との恋はとこぞの漫画やドラマ、映画でよく見る。女子高生にとってその関係は憧れであるものだ。しかし、いざこういう異性の幼馴染がいる立場となると実際どうもこうも思わない。
恋愛関係なんてもっての外だ。そもそもゾムは私の事を恋愛対象で見ていないだろう。この前も何の躊躇もなく家にずかずかと入ってくる男だし。
…なんだ、ほんと今思い返せばゾムは恋愛対象という目で私を見ていないじゃないか。何なら私なんて背景ぐらいにしか見えていないのでは？
「あーあ、私もイケメン幼馴染ほしー！」
大きな溜息をついて嘆く友達。…イケメン幼馴染、居たって自分が辛いだけなのに、なんて言える訳もなく。
(あー、なんでこんなモヤモヤするの)
さっきから胸のあたりがモヤモヤする。なんだか得体の知れない黒い霧みたいな。
得体の知れない霧の正体が私に分かるはずも無く、その思いをかき消すようにそのままペットボトルのお茶を飲み干した。
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その日の昼休み。いつも通り友達とお弁当を食べようと鞄の中に手を突っ込む。今日の朝、遅刻しそうで急いでいた所為で鞄の奥底に眠っているのか、中々弁当箱が見つからない。
「Aー早く食べようよー！」
急かしてくる友達にすぐ行くから先食べてて〜と声をかける。すると友達は返事をしてタコさんウインナーを掴み、口の中へと放り込んでいた。くそう、こちとらお腹が空いているというのに、お弁当箱め。早く出てこい！と念を押すもののお弁当箱は中々見つからない。と、いうか。お弁当箱自体が無いような気がする。
…まさかとは思うけど、忘れた？
いやいやそんなわけ無い。遅刻間際で急いでいたとは言うもののちゃんとお弁当箱を入れた覚えはある。うん、絶対に朝鞄の中に入れた記憶がある。
なのに現状、目の前の起こっている事はそれとは矛盾している。
______まさか、誰かに隠されたとか____？
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マリアナ(プロフ) - めっっっっっちゃ好きです……zmさんの夢主と女の子に対するギャップとかが最高でもう心臓が締め付けられました……素敵な作品ありがとうございました…！！！！ (2022年8月27日 23時) (
レス) @page5 id: 0cfc9bf7e7 (このIDを非表示/違反報告)
える＠脅威推し - ベタだけど最高。尊い (2022年5月26日 2時) (レス) @page23 id: b73a7fac54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月麦 | 作成日時：2022年4月28日 18時
