8話 ページ8
『……なっ___！』
「あら、口答えするの？辞めてよ、本当に子猫ちゃんじゃない」
「子猫ちゃん」と呼ばれ、苛立つが。少し心当たりがあるので、説明を加えよう。
ゾムはいつも誰にでも優しく接する。友達とも仲良くやっているし、とても充実している。
それに比べ私という人間はゾムに比べると友達は少ないし、充実もしていない。そんな私がゾムと一緒に居ると、旗から見たらゾムを踏み台にしている人に見えても仕方がないだろう。
だから、「ゾムにしがみつく事しかできない無知な子猫ちゃん」と言う訳だろう。
…嫌なこと、言ってくれるなあ。
「まあともかく。そういうことだから、宜しくね
子猫ちゃん」
そう吐き捨て、踵を返す佐藤さん。彼女はにこりと微笑んでいたが、その瞳の奥はひどく冷たく、まるでゴミを見下すかの様な目をしていた。ゾクリと背筋が凍り、頬に冷や汗がつたった。
それからというもの、ゾムとは極力話さなくなった。否、話せなくなったという表現のほうが正しいだろう。そもそも最近は委員会の仕事がお互いに忙しかったり、部活やテスト前ということもありあまり会う機会さえ少なくなっていた。
そんなある日だった。その日は疲れで高熱を出してしまい、1日学校を休んでいた。夜遅くまで親は仕事で帰ってこない為、看病してくれる人がいるはずも無く。適当に自分でお粥を作ったり、冷えピタを張り替えたり。
結局夜まで熱は下がらず上がりっぱなしで、明日も学校は無理だなあ、と落ち込んでいると。
ピンポーン、家のチャイムが静かな部屋にやけに大きく響いた。インターホンを確認すると、ゾムが「あー、A？今日の欠席便り持ってきたで」と照れ臭そうに玄関の前に立っているのが画面に映し出された。どうやらゾムがうちに来てくれたらしい。
喉がまだジンジンと痛む。いつもよりワントーン低い声で『……どうぞ上がって』と声をかけた。
ガチャリ、と玄関のドアが開くと心配そうに眉を下げたゾムがずかずかと上がってきた。「お前なあ、疲れ溜めすぎやねん！息抜きちゃんとしろ！」と欠席便りの袋と風邪薬を私に押し付けた。
不器用な彼なりの優しさだろう。『ありがとう』とはにかむと「…心配やから今日は家におったるわ！どうせおばさんらも仕事やし」と無理やり家に上がってきた。
その後キッチンでゾム特性のお粥を食べたり、一緒に他愛もない話をしたり。なんだかゾムと久しぶりに会ったからだろうか、ゾムを見るとなんだかむず痒い気持ちになった。
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マリアナ(プロフ) - めっっっっっちゃ好きです……zmさんの夢主と女の子に対するギャップとかが最高でもう心臓が締め付けられました……素敵な作品ありがとうございました…！！！！ (2022年8月27日 23時) (
レス) @page5 id: 0cfc9bf7e7 (このIDを非表示/違反報告)
える＠脅威推し - ベタだけど最高。尊い (2022年5月26日 2時) (レス) @page23 id: b73a7fac54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月麦 | 作成日時：2022年4月28日 18時
