15話 ページ15
『捕まえれるもんなら捕まえてみな〜』
お前ちっこいから捕まえにくいねん！！と言う彼。今低身長イジリしたな？とムッとする。
すると、私は足元の段差に気付かず足を滑らせそうになる。あ、まずい____と思うと同時にゾムの危ない！という声が後方から聞こえた。
「っぶな……おま、気をつけろ、よ…………」
ゾムが助けてくれた、と思いきや。
今の状況を説明すると、ゾムが私を所謂床ドンというやつをしている様な体制になってしまった。
ゾムの顔がやけに近かった。翡翠色の目は私を真っ直ぐ見つめている。
何故か目が、離せない。
「……クソ、無防備にこっち見んなや」
ゾムはポツリ、と小さく言う。どういうこと、と言おうとすると唇にふわり、と柔らかい感触がした。
まさか。
_____今、ゾムとキスした？
驚きのあまり声が出ない。目の前にはの耳をほんのり赤くして目を瞑ったゾムが居るだけ。
キスをやめるとゾムは立ち上がり、「…授業遅れるで」と言い残して去って行ってしまった。
私は『…う、ん』とだけ返事をしてその場に座り込む。
な ん で 今 キ ス し た。
多分、今私の頭の上にはクエスチョンマークが沢山浮かんでいるだろう。
勢いとはいえ、急すぎるキスに困惑する。同時にまだ唇の不思議なふわりとした感触に赤面する。
ああもう、辞めてほしい。
変に意識させないで欲しい。胸の高鳴りがさっきから収まらないのだ。ずっと心臓が飛び出そうなくらいバクバクして、頭の中はゾムの事でいっぱいいっぱいで。
その後の授業の内容は入ってこなかった。ただキスのことしか頭の中になかった。
ゾムは私の事好きだからキスしたの？
それともただの勢いで？
もう、頭がこんがらがりそうだ。
掃除中もずっとずっとこんなことを考えていた。その為集中などできるはず無い。無意識にほうきで同じところばかり掃いていた所為で同じ掃除当番の子に「大丈夫？」と心配されてしまった。
とにかく、頭を冷やそうとゴミ袋を持って靴を履き、外へ出る。ゴミ袋を持っているのは頭を冷やすついでに捨ててこようと思ったからだ。
ゴミ袋を捨て、中庭のベンチに腰掛ける。
やはり思い返すとあのキスは不思議で堪らなかった。
やけくそでスマホを取り出し、「キス 幼馴染 心理」とか「キス どういう時したくなる 男」とかググるが、案の定参考になりそうなものは出てこない。
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マリアナ(プロフ) - めっっっっっちゃ好きです……zmさんの夢主と女の子に対するギャップとかが最高でもう心臓が締め付けられました……素敵な作品ありがとうございました…！！！！ (2022年8月27日 23時) (
レス) @page5 id: 0cfc9bf7e7 (このIDを非表示/違反報告)
える＠脅威推し - ベタだけど最高。尊い (2022年5月26日 2時) (レス) @page23 id: b73a7fac54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月麦 | 作成日時：2022年4月28日 18時
