13話 ページ13
『…待ってました』
「…話ってなあに？もしかしてお腹空いて食べ物でもおねだりしに来たのかしら、子猫ちゃん？」
放課後。あらかじめ、屋上に佐藤さんを呼び出しておいた。私は佐藤さんの前に仁王立ちをして立ちはだかる。
「随分と自信満々のようだけど」
いや、内心恐怖でいっぱいである。今にも逃げ出したいほどに足はガクガクと細かく震えている。まるで生まれたての子鹿だ。しかし、佐藤さんには見えないように強く見せているつもりだ。
『…ええ、まあね
突然呼び出してしまってごめんなさい。でも、話したいことがあるの』
「…ええ、私もよ」
ニヤリ、と悪戯な笑顔を作る彼女。背筋がゾクゾクして、なんだか獲物を見つけて狙う獣のような目をしていた。
『今日のことなんだけど。……あれは少しやりすぎじゃない？流石に私も許せないよ。…確かに私はあなたの助言を無視して、ゾムと仲良く関わっていた。でも！
私への嫉妬心をぶつけるにも程があるよ』
…これでも顔がこわばりながらも言いたいことをまとめて伝えたつもりだ。
言い切った！言ってやったぞ！と内心安堵の気持ちが過る__。佐藤さんは表情を変えず、真顔で私の話を聞いていた_と思いきや、急にふふふ、あはは！と愉快に笑い始めた。
『……な、なにがおかしいの？私は本気で___』
「ふふ、あなたってどこまで子猫ちゃんなのかしら、と思ったらつい笑っちゃって」
……馬鹿にされた。完全に舐められている。こっちは本気なのに、佐藤さんはどうも思っていないのだろうか。ただの"子猫ちゃん"の遊びに付き合ってあげてる感覚でお弁当をぐちゃぐちゃにしたのか。それならばかなりヤバイ。
「まあ、いいわ。今日の事は流石にやりすぎたと思ってる、ごめんなさいね
_____でも、あなたの言うとおり私の助言を無視したのが悪いのよ」
助言____というのは、「ゾムに馴れ馴れしくするな」ということだろう。しかしそれは私へのただの嫉妬心では無いのだろうか、と首を傾げる。
「もう、焦れったくするのはやめるわ。
単刀直入に言う、ゾムくんは私のモノなの」
一瞬空気が固まる。…ゾムは佐藤さんのもの？なんて馬鹿馬鹿しいことを言い出すのかと思えば。そんなもの全て佐藤さんの妄想だろう。やめてくれ、見てて痛い。
なんと対処すればよいのか方法がわからず、『は、はあ…』としか返すことができなかった。
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マリアナ(プロフ) - めっっっっっちゃ好きです……zmさんの夢主と女の子に対するギャップとかが最高でもう心臓が締め付けられました……素敵な作品ありがとうございました…！！！！ (2022年8月27日 23時) (
レス) @page5 id: 0cfc9bf7e7 (このIDを非表示/違反報告)
える＠脅威推し - ベタだけど最高。尊い (2022年5月26日 2時) (レス) @page23 id: b73a7fac54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月麦 | 作成日時：2022年4月28日 18時
