11話 ページ11
ちょっと待て待て。隠されたとか聞いてないぞ。
いやまさか隠されたとかそんな訳な______
あるな。いや、心当たりはある。
心当たりというか、私の単なる勘なのだが。
(多分、佐藤さんじゃないかな)
私のお弁当を隠すくらい私に憎しみがあるのは佐藤さんぐらいだろう。何故なら、以前「ゾムに馴れ馴れしくするな」と言われなのにも関わらず、その助言を無視して最近普通にゾムと関わっているからである。
いやいやでも、だ。冷静に考えると私が正しい。
急にゾムの事を避けるなんて不自然だし、なぜ他人に左右されなければいけないのだ。こんなお遊びに付き合うぐらいなら無視する方が大人な対応な気がする。
(……とにかくお弁当を探さなければ)
…佐藤さんがどこに隠した等分かるはずも無いが。教室を飛び出て、とにかく宛もなく私はお弁当を探し始めた。…中身が無事だといいのだが。
体育館裏、下駄箱、トイレ……。ありそうな場所は全て探した。が、どこにもお弁当が無い。ゼェゼェと切れる息が切れるが、昼休みがもう少しで終わってしまう為、垂れる汗を拭いいろんな場所をもう一度探し回る。
やっぱり無い。…もしかしてゴミ箱とか物騒なところにあるのではないかと恐る恐る中庭のゴミ箱を除くが、お弁当らしきものは見つからなかった。
中庭のベンチに腰掛け、小さく溜息をつく。まさか物を隠す手段で来るとは予想外だった。時計に目をやると、もうあと5分程度で昼休みが終わってしまう。今日はお昼抜きかあ、と思うとどっと疲れが襲ってくる。
ふと目の前の花壇に目を向ける。そういえば去年は美化委員会に入っていたからよく花壇の花の水やりをやっていたなあ、と思い出す。そのお蔭か毎日綺麗に色とりどりで鮮やかに花を咲かせている。
……コツコツと足音が聞こえ、ベンチに腰掛ける私の目の前を数人の女子が通り過ぎてゆく。その中には佐藤さんが居た。
ハッと我にかえり、ベンチから立って佐藤さんを睨む。
『佐藤さ_____』
佐藤さん、と呼び止めようとした所だった。
その直後、見覚えのあるお弁当箱を雑に開けて、中に入っているおかずや白ご飯を目の前の花壇にボトボトと落とし始めた。そのおかずの中には、私が朝遅刻しそうになりながらも急いで無造作に作っただし巻き卵が。
すると今度は佐藤さんを含む女子達が、花壇に転がったおかず達を踏み始めた。
ぐちゃり、ぐちゃりと嫌な音を立て、次々とおかず達は跡形もなく踏みつぶされていった。
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マリアナ(プロフ) - めっっっっっちゃ好きです……zmさんの夢主と女の子に対するギャップとかが最高でもう心臓が締め付けられました……素敵な作品ありがとうございました…！！！！ (2022年8月27日 23時) (
レス) @page5 id: 0cfc9bf7e7 (このIDを非表示/違反報告)
える＠脅威推し - ベタだけど最高。尊い (2022年5月26日 2時) (レス) @page23 id: b73a7fac54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月麦 | 作成日時：2022年4月28日 18時
