頭の中 ページ4
上司からの電話だ。
いつの間にか半日ほど経っていたみたい。
これはやばい。
無断欠勤なんて初めてだし相当怒られるかもしれない…!
これは…何かいい言い訳をしないと…
いやまあ言い訳も良くないんだけど。
「あ、来須です。」
「ほ、本当にすみません…。」
「風邪…か何かの病気だと思うんですけどぉ…」
「あっ、はいすみません。朝倒れちゃって、ずっと気絶…?してて。今やっと起きたところで…。」
「連絡すら出来なくて…すみません…。」
「あ、ちょっと明日からも無理かもしれません…。」
「一週間休み…はい。そうですね。」
「よろしくお願いします。」
「あ、この前の書類はあとで送っておきますね。」
「…はい。分かりました。はい。ありがとうございます。」
「失礼します。」
よし。勝った。
上司からの叱責は厳しくはなかった。
もともと部下思いのいい上司なのだ。
それでもさすがに無断欠勤を許すのはあり得ないとは思っていたけど…。
こっちだってのっぴきならない理由があったのだ。
勘弁してほしい所ではある。
ウソはついてしまったけども。
ていうか、あんなんで本当に誤魔化せてる?バレてる?
「これからどうすればいいんだよおおぉぉ〜。」
鏡を見るたびに米花町にとぶなんて日常生活も送れないよ…。
とりあえずこの一週間でなんとかするしかない。
でも私、米花町では、アリスの格好した変な人だし。
しかも爆破事件の事件現場で突如いなくなった怪しい人物なんだよね…。
来須莉亜は頭を抱えた。
♤♦♥♣♠♢♥♣♠♦♡♣♠♦♥♧
江戸川コナンは頭を抱えた。
目の前で、犯人であろう男と、犯人を捕まえるのに協力してくれていたアリスなる人が消え失せてしまったからだ。
その上、その二人は『不思議の国のアリス』の登場人物を名乗っているという共通点がある。
それに、白ウサギはアリスのことを知っているように見えた。
仲間、だったのだろうか。
謎は残る。
「…本当のことなんだよ。
非番なのに爆弾事件に呼び出された隣の不運な刑事に説明した。
「本当のことだとは思えねえがな。だいたい消え失せたって、目の前で起こったんだろ。なんか見てねえのか。」
「そこが疑問なんだけど…特に変なところはなかったんだ。」
トリックも何もない。警察によると監視カメラにも映っていないらしい。
江戸川コナンと松田陣平は頭を抱えた。
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