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いつも通りに仕事をこなしたつもりだったが、
「センパイ、今日元気ないですよね？」
リカちゃんに心配され、
「小河さん、ここ入力されてないし、書類も足りてないですよ。」
新人のような凡ミスで、粕谷くんに顔をしかめられ、
やはりいつも通りとはいかなかった。
今日は残業しても効率のいい仕事はできないだろうと早めに切り上げたのは、賢明な判断だと思う。
何となく背中に感じるリカちゃんや粕谷くんの視線はあえて無視して、会社を出た。
コートのポケットに手を入れれば、電源を落としたままの携帯。
真っ黒なその画面に映った自分の顔は、思っていたより悲壮感に満ちていて、
こんな顔で一日過ごしていたのかと思うと、周りの人たちに申し訳なさが込み上げる。
なんてことはない。
ただの失恋だ。
果たして付き合っていたのかどうかすら、今となってはあやしいが、
どちらにせよ、寄り添って過ごした時間はごく僅か。
ココロのどこかで、こんな展開も予想していた。
だから、大丈夫。
前回よりも傷は浅いはず。
心の中で、自分を納得させる理由を必死で探しながらも、
どうしてだろう、
リョウくんを責める言葉が出てこない。
どうしてだろう、
可愛くて、ワガママで、しょーもない彼を、ちっとも嫌いになれないのは。
どうしてだろう、
『説明する』と言うリョウくんの言葉に、すがることが出来ないのは。
やっぱりはじめから、どこか信用していなかったのかな？
この関係も。
リョウくんの気持ちも。
だから、こんな結果も仕方ない。
お互い様なんだ。
本気じゃなかった彼と、
それをどこかで受け入れていたあたし。
どっちもどっちだ。
お腹がすいている訳でもないのに、近所のお弁当屋さんで、唐揚げ弁当を買ったあたしは、きっとドMなんだな…
薄暗い部屋、缶ビールを片手に唐揚げをがむしゃらに頬張った。
胸の辺りに込み上げて来る何かが、
想像以上に重たい唐揚げによるのか、
もう少しセンチメンタルなものなのか…
流し込んだビールもちっとも美味しくなくて、修行のような食事をしながら、
気が付けばテーブルの上の携帯に視線を移す自分。
まだ電源を入れられずにいる癖に、
あたしと彼を結ぶ、唯一の繋がりであるそれに、
やはり何かを期待しているのだろうか…
ピンポーン
テレビも音楽も拒否した部屋、
突然響いたインターフォンの音は、やけに大きく響いた。
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まめまめた(プロフ) - ペンギンさん» コメントありがとうございます！他の作品もご贔屓にしていただいてるなんて、嬉しい限りです(≧∀≦)あたしの勝手な錦戸さんイメージではありますが、彼の可愛さが伝わって良かったです！もっとカッコ良さも描ければよかったのですが…´д` ;次作もがんばります！ (2018年1月16日 11時) (
レス) id: 955d73cb24 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン(プロフ) - 完結おめでとうございます！素敵お話をありがとうございました！まめまめたさんの作品全部大好きで何度も読み直してます！今回の錦戸くんも可愛くて可愛くて！∞はあまり詳しくないので錦戸くんってこんなに可愛いんだと知れてよかったです！次作も楽しみにしています！ (2018年1月16日 4時) (レス) id: c34058457d (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ぽぱいさん» すみません、非公開ボタン押し忘れて登録しちゃいましたm(__)m後ほど更新しなおします！ご指摘ありがとうございむした！！ (2017年12月16日 15時) (レス) id: 955d73cb24 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぱい(プロフ) - お話飛んでませんか…？ (2017年12月16日 15時) (レス) id: 28368eb87a (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - 花葉さん» いつもコメントありがとうございます！励みになります(´∀｀)長編予定ではないものの、着地点見えずに書き始めてしまったので、のんびりお付き合いくださいませ☆ (2017年12月15日 8時) (レス) id: 955d73cb24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめまめた
| 作成日時：2017年12月14日 20時
