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「ーーまる、やま、くん…」
顔を上げたると、声の主はやっぱり間違いなく彼で、
そして何故か、今まで見た中で一番、本当にタヌキみたいに情けない顔をしていた。
「っ、ほんま、あかんやんっ！医務室行こうかっ？！」
きっと、あたしも酷い顔をしているのだろう。
あたしの顔を見るとますます眉を下げて、なんなら泣きそうな顔をしてあたしの肩を抱くこの人は、
優しいが過ぎる。
「っ、、なんで…？」
何でここにいるの？
何で気付いてくれたの？
頭を巡るそんな疑問よりも、一番言いたいことが勝手に溢れ落ちる。
「、、なんで、そんなに優しくしてくれちゃうのよ…」
だから、期待しちゃうのよ…
だから、諦めきれないのよ…
分かっているのに、それさえも丸山くんにとっては当たり前のことなんだって。
それでも、あたしにとっては残酷な優しさなんだよ…
「そんなんっ、大事な子に優しくするのは当たり前やんかっ！」
怒ったように顔を赤らめて、声を荒げる丸山くんは、
大概に空気が読めないと思う…
「本当にっ、何でそういう事言っちゃうかな？！
て言うか、もういい加減に気付いてよっ！」
軽々しく友達に��大事な子��とか言ってしまうデリカシーの無さとか、
ちっともこっちの気持ちに気付いてくれない鈍感さだとか、
残酷なくらいの優しさだとか…
そういうの全部に腹が立って、
ほとんど八つ当たりみたいに、丸山くんにぶつけてしまった。
「えっ、ぇ、何が？！
てか、浅井ちゃん、怒ってますのっ？」
今度は焦ったようにまた顔を赤くして、ワタワタとする丸山くんが、
可愛くて、
そして申し訳なくなって。
ついでに言えば、ここが会社の最寄駅のホームだということも思い出して…
「ーーごめんね、八つ当たりした…
とりあえず、具合が悪い訳じゃないから、大丈夫。」
冷静さを取り戻して、素直に謝って、
それからまだあたしの肩を抱いたままの丸山くんから距離を取ろうとした。
「そんな顔して��大丈夫��とか言われたって、��はいそうですか��て帰せるわけないやんか。」
また丸山くんらしくない、少しだけ怖い口調でそう言うと、
あたしの肩に置いたままの手に力を込めた。
そしてそのまま引き寄せられたあたしの体は、
丸山くんの腕の中に収まって、
あたしの視界は丸山くんの黒いコートと、グレーのチェック柄のマフラーの裾で埋まった。
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まめまめた(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん☆せっかくリクエストいただいたのに随分遅くなってしまってすみません(;´д｀)読んでいただけてヨカッタ〜( ´∀｀) (2020年5月31日 11時) (
レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - リクエストにお応えしてくれてありがとうございました。此方に感想失礼します。読みました。とてもお話が面白くてお二人の様子が可愛らしくてお話の中だけど幸せになって欲しいと思ってしまいました。これからも頑張ってくださいね。 (2020年5月30日 1時) (レス) id: 381d27e867 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - 美波さん» 美波さん☆コメントありがとうございます！幸福論はいつもとテイストが違いシリアス強めな作品ですが、私自身も気に入っているお話なので、大好きを頂けてとっても嬉しいです( ´∀｀) (2020年5月22日 10時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん☆お返事遅くなってすみません(＞人＜;)横山君のお話、実は私も書きたかったのですが、もう話数がいっぱいでアップ出来ず…かと言って別の短編集に突っ込むのもいきなり過ぎるし…と困っております(;´д｀)どこかに置き場が出来たら書いてみますね！ (2020年5月22日 10時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 初めまして。いつも作者さんの作品たくさん読ませていただいてたのですが、初めてコメントします！好きなお話沢山あるんですけど、このコトノハの幸福論が本当に大好きで何回も読み直してて、伝えずにはいられなくなりコメントさせてもらいました^ ^ (2020年5月22日 2時) (レス) id: 2630bc6126 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめまめた
| 作成日時：2019年12月14日 17時
