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「ーー浅井ちゃんは、強いなぁ…ちゃんと前に進んでるんやな。
それやのに俺は、いつまもウジウジと…
そんで肝心な時に、勇気が出されへん…
ほんま、情けないよなぁ、、」
自嘲気味に笑う丸山くんが苦しくて。
だけど一方で、
もう少しで想いが叶いそうな距離まで近づいているはずなのに、相変わらず片想いモードな丸山くんに苛立ちも覚えて。
「ーー丸山くんは、ここからでしょう？
あたしは、自分の気持ちを大事に出来なかった。
きっと最初から、何処かでいつも逃げ道を作ってたから…
でも、丸山くんは違う。
だから、今度こそ、チャンスをものにしなきゃ！」
気付けば自然と、彼の背中を叩いていた。
あたしの言葉に、少し驚いたように顔を上げて、
それからまだタヌキ味の残る下げ眉ながらも、丸い笑顔を見せてくれた丸山くんに安心して、
だけどその笑顔に、��好き��が込み上げてきて、
もうびっくりするくらい苦しくなって、
それを誤魔化すように、弱気な彼を励ます言葉を懸命に探して、繋げた。
ーーその結果、あの訳のわからない親知らずの話になってしまったのだが、
もしあたしのつまらない話で、僅かばかりでも丸山くんの背中を押す事が出来ていたらいいなぁ、
と願う。
それが100%の本心じゃないにしろ、
寧ろ8割方、強がりだと自覚しているけれど、
でも残りの2割くらいには、心から彼の幸せを願う健気さもあるはずだから。
振り向くことなく消えた丸山くんの後ろ姿を目で追うのを諦めて、
自分のホームで電車を待ってはみたものの、
どうしてだろう、
今更込み上げてくる感情が、
時と場所を考慮せずにあたしの涙腺を刺激する。
こんな風に丸山くんと会うのも、もう最後なんじゃないか。
そんな予感がした。
あたしが気持ちを告げようと、告げまいと、
きっとこの関係はもうすぐ終わってしまう。
そんな気がした。
そう思ったら、やっぱり押し寄せるのは後悔ばかりで。
丸山くんの背中を押すために送った言葉達が、特大ブーメランとなって自分に返ってくる。
ーー本当に、怖がって、我慢して逃げていたって、もっとどんどん痛くなるだけだね…
込み上げてくるものをやり過ごすよう、俯いて奥歯を噛み締めているうちに到着した電車は、諦めて見送った。
人の減ったホームで下を向いたまま動けずにいたら、
「どうしたんっ？具合悪いん？！」
少し息の上がった聞き慣れた声が降ってきた。
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まめまめた(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん☆せっかくリクエストいただいたのに随分遅くなってしまってすみません(;´д｀)読んでいただけてヨカッタ〜( ´∀｀) (2020年5月31日 11時) (
レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - リクエストにお応えしてくれてありがとうございました。此方に感想失礼します。読みました。とてもお話が面白くてお二人の様子が可愛らしくてお話の中だけど幸せになって欲しいと思ってしまいました。これからも頑張ってくださいね。 (2020年5月30日 1時) (レス) id: 381d27e867 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - 美波さん» 美波さん☆コメントありがとうございます！幸福論はいつもとテイストが違いシリアス強めな作品ですが、私自身も気に入っているお話なので、大好きを頂けてとっても嬉しいです( ´∀｀) (2020年5月22日 10時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん☆お返事遅くなってすみません(＞人＜;)横山君のお話、実は私も書きたかったのですが、もう話数がいっぱいでアップ出来ず…かと言って別の短編集に突っ込むのもいきなり過ぎるし…と困っております(;´д｀)どこかに置き場が出来たら書いてみますね！ (2020年5月22日 10時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 初めまして。いつも作者さんの作品たくさん読ませていただいてたのですが、初めてコメントします！好きなお話沢山あるんですけど、このコトノハの幸福論が本当に大好きで何回も読み直してて、伝えずにはいられなくなりコメントさせてもらいました^ ^ (2020年5月22日 2時) (レス) id: 2630bc6126 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめまめた
| 作成日時：2019年12月14日 17時
