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side 安田
「ーー溶けたアイスは、どうなると思う？」
俺も人の事は言われへんみたいやけど、Aの発言も大概唐突やと思うで？
ギュッと閉じ込めた腕の中から顔を上げ、可愛い黒目がちな瞳を真っ直ぐに俺にむけて、そんな問いを投げかけてくる。
その目の奥に隠れてる、問い掛けの真意を探るように見つめ返せば、
「跡形もなく消えちゃうなんてこと、ないよね。
それなら章ちゃんの手は、溶けたアイスでベタベタなのかな…？」
その真っ黒の瞳に捕まって、逆にこっちの心の奥の奥まで見透かされそうになる。
ーーあぁ、そういう事、やんな？
「ーーどうなんやろうな、、
俺にも分からへん。
けど、、ベタベタな手ぇでAに触れるんは、やっぱしアカンのかな…？」
そっと、彼女の唇に指先を触れれば、
「ーー章ちゃんの手なら、ベッタベタに甘ったるくても、いいよ…」
柔らかい唇と熱い舌に迎え入れられた指先。
「いろんな味が混ざり合ってても大丈夫…
全部きれいに舐め尽くしてあげるから。」
俺の人差し指を咥えたままそう言うAは、ただひたすらに艶めかしい。
だけど、咥えた指をチュッと音を立てて離した後、
「ーーでも、ずっと溶けないアイスがあったら、いいのにね…」
しがみ付くみたいにまた俺の背中に腕を回して、小さく細く呟いたキミは、
サンタなんていないと言いながら、ほんまはサンタさんを待ち焦がれてる小さな女の子みたいで…
「ーーAのせいで、俺がドロッドロのデロッデロに溶けてもぉてるわ…」
ほんま、ちゃんと責任取ってや？
その華奢な体をまた、腕の中に閉じ込めた。
きっとAには俺には見えてへんもんが沢山見えてて、
それがAを苦しくさせたり、不安にさせたりしてもぉてるんやろうけど、
でもな、
きっとAには見えてへんような先の先の未来まで、俺には見えてんねんで？
彼女の言うところの、
��俺がアキを見守りながら綴ってきた長い物語��
なんて短編小説に思えるくらい、
��アキと大倉が綴ってきた長い物語��
なんて物足りないと思えるくらい、
もっと長くて、
もっと愛おしい物語は、
もう二年も前から綴られてるんよ。
この物語の終わりは、まだまだずっと先やから、
溶けへんように、
溶かさへんように…
＊完＊
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まめまめた(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん☆せっかくリクエストいただいたのに随分遅くなってしまってすみません(;´д｀)読んでいただけてヨカッタ〜( ´∀｀) (2020年5月31日 11時) (
レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - リクエストにお応えしてくれてありがとうございました。此方に感想失礼します。読みました。とてもお話が面白くてお二人の様子が可愛らしくてお話の中だけど幸せになって欲しいと思ってしまいました。これからも頑張ってくださいね。 (2020年5月30日 1時) (レス) id: 381d27e867 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - 美波さん» 美波さん☆コメントありがとうございます！幸福論はいつもとテイストが違いシリアス強めな作品ですが、私自身も気に入っているお話なので、大好きを頂けてとっても嬉しいです( ´∀｀) (2020年5月22日 10時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん☆お返事遅くなってすみません(＞人＜;)横山君のお話、実は私も書きたかったのですが、もう話数がいっぱいでアップ出来ず…かと言って別の短編集に突っ込むのもいきなり過ぎるし…と困っております(;´д｀)どこかに置き場が出来たら書いてみますね！ (2020年5月22日 10時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 初めまして。いつも作者さんの作品たくさん読ませていただいてたのですが、初めてコメントします！好きなお話沢山あるんですけど、このコトノハの幸福論が本当に大好きで何回も読み直してて、伝えずにはいられなくなりコメントさせてもらいました^ ^ (2020年5月22日 2時) (レス) id: 2630bc6126 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめまめた
| 作成日時：2019年12月14日 17時
