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『今日、行けるか？』
仕事終わりにそんな風に気軽なお誘いが続くようになって、
「遅なったから送るわ」
同じ路線とは言え、数駅手前のあたしの最寄り駅で一緒に降りて、家まで送り届けてくれたり、
「出張土産。オマエこれ好きや言うてたやろ？」
あたしに関する些細な情報を覚えていてくれちゃったりなんかしたら…
ーーまぁ、期待するよね、普通に。
裕とサヤカさんが一応別れ話をしてから３ヶ月が経つ頃には、
あたしの中に芽生えた淡い色をした欲は、随分ハッキリと色付けられて、
ついでに1.5倍くらいに膨れ上がっていた。
このまま時を過ごしていったら、いずれは裕の隣にはあたしがいるのが当たり前になるんじゃない？
なんて、考えるようになって。
裕は案外情が深いから、一度懐に入ってしまえばこっちのもの？
なんて、着実に距離を縮めていって。
多分自惚れではないだろうな、と思えるくらいには、裕のあたしに対する態度は、
��気の合う後輩��
に対するよりも、少し…
いや、かなり、甘みを出してくれるようになっていた。
「ーーじゃあ、おやすみな。」
マンションの前まで送ってくれるのが当たり前のようになった頃には、
��おやすみ��の言葉と共に、少しぎこちなく、あたしの頭にその綺麗な指先が触れるようになって。
そうした後に、薄暗い景色の中でも分かるくらいに赤らむ頬が、
またあたしの中の想いを大きくしていった。
その指が、あたしの頬に触れてくれたらいいのに。
その頬に、あたしの指が触れられたらいいのに。
ーーだけど…
例えば、
ふとした時に訪れる沈黙とか。
どこを見ているのかわからない横顔とか。
真っ暗なスマホ画面にチラリと視線を向けた後に、小さく吐き出される息とか。
そういうところに、
あたしが勝手に探し出して、見つけてしまうのだ。
ーーサヤカさんの影を。
「浅井てこんな背ぇ小さかったっけ？」
例えば帰りの電車で並んで立った時に、彼が感じる違和感。
それは、彼の目線にもう少し近い高さにあった彼女の頭を、彼が無意識に探しているからで。
「ーー今日はちょっとヒール低めなんですよ。」
小さな嘘をついたところで、
その違和感も、あたしの中の苦い気持ちも、
誤魔化せるはずはなかった。
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まめまめた(プロフ) - yuki sさん» yuki sさん☆コメントありがとうございます！きゅんきゅんお届け出来て良かったです( ´ ▽ ` ) (2019年8月1日 10時) (
レス) id: 955d73cb24 (このIDを非表示/違反報告)
yuki s(プロフ) - 可愛かったです！きゅんきゅんしました (2019年7月31日 21時) (レス) id: 420ff5d14c (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - まあこさん» まあこさん☆読んでいただけて良かった〜リクエストにお応えして書くが初めてだったので、こんな感じでいいのかなぁ？と一人でドキドキしておりました(￣▽￣;) 楽しんでもらえたなら幸いデス(´∀｀=) (2019年7月29日 17時) (レス) id: 955d73cb24 (このIDを非表示/違反報告)
まあこ - 以前にリクさせて頂いた者です！書いて下さりありがとうございます！更新が上がってるのを見てもしや！とテンションが上がり、読ませて頂いて胸がドキドキして1人で悶えさせて頂きました！(笑)悶々とする安田くんほんとに最高でした！めちゃくちゃ嬉しいです！ (2019年7月29日 13時) (レス) id: 33083b39c7 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆いよいよ大阪はじまりますねっ！たーっぷり愛を受け止めてきてください(≧∀≦) ちなみに私は自分史上最高の席で受け取った愛の余韻からまだ抜け出せてません(〃ω〃)笑 (2019年7月27日 7時) (レス) id: 955d73cb24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめまめた
| 作成日時：2019年6月12日 10時
