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いつも以上に白く見えたその横顔に表情が戻るまで、どれくらいの時間がかかったのか。
一瞬だったような、酷く長い沈黙だったような…
ただ、ボンヤリと見つめながら、身体のどこかから急速に熱が抜けて行く気がした。
「ーー掛け直さないと。
今日はもう帰ってね。」
不自然な程、普通のトーンで出てきた自分の声に実は驚きながらも、
多分あたしは笑っていたと思う。
「っ、Aっ、ちゃうねん！
ほんまにずっと連絡取ってへんかったんやで？！」
焦ったように声を上げた裕は、お門違いな言い訳をくれたけれど、
「うん、知ってるよ？
だから、やっと掛かってきた電話なんでしょう？
裕があんまりにもヘタレだから、サヤカさんが痺れ切らしたんだね。
ーーちゃんと、話し合わなきゃ。」
あの固まった横顔を見れば、
彼の気持ちがこれっぽっちも整理されてなんかいなかった事は明らかで。
「ーー俺は…」
「一つだけ、約束して？
あたしとのことは、サヤカさんには言わないで。」
何かを言いたそうな裕の言葉を遮って、ハッキリと伝えた。
「そんなんっ、卑怯やろ？！」
「裕とサヤカの問題に、あたしを巻き込まないで。
先輩がどうとか、あたしがどうとかじゃなくて、自分達の気持ちがどこを向いているのか、ちゃんと自分自身で答えを出してよ。」
意識して冷静に響くように出した言葉は、思った以上に突き放して聞こえた。
だけど、それでいいのだ。
ちょっとくらい卑怯でも、許されるでしょう？
サヤカさんに懺悔なんてしないで。
楽になろうなんて思わないで。
罪悪感と言う名のガラスケースの中で、綺麗な想い出として飾って置いて。
「ーー今更感満載のこのタイミングで電話してくるって、サヤカさん、相当勇気振り絞ってるから。
裕もいつまでもグダグダ言ってないで、速やかに動くっ！」
バシッと乱暴に手のひらで触れた背中の温もりが、一瞬だけあたしを苦しくさせたけれど、
「ーーまた、後で連絡するから。」
まだ少し揺れる瞳で、だけど逸らすことなくあたしの目を見てそう言った裕を、
笑顔で送り出した。
玄関の扉が閉まって、
笑顔が崩れても、
涙は出てこなかった。
ローテーブルに置きっ放しになっていたコンビニ袋の中身がアイスクリームだったと気付いた時には、
それはもう形を失くした液体になっていて、
そのままゴミ箱に捨てた。
その夜、裕から掛かってきた電話には、出なかった。
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まめまめた(プロフ) - yuki sさん» yuki sさん☆コメントありがとうございます！きゅんきゅんお届け出来て良かったです( ´ ▽ ` ) (2019年8月1日 10時) (
レス) id: 955d73cb24 (このIDを非表示/違反報告)
yuki s(プロフ) - 可愛かったです！きゅんきゅんしました (2019年7月31日 21時) (レス) id: 420ff5d14c (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - まあこさん» まあこさん☆読んでいただけて良かった〜リクエストにお応えして書くが初めてだったので、こんな感じでいいのかなぁ？と一人でドキドキしておりました(￣▽￣;) 楽しんでもらえたなら幸いデス(´∀｀=) (2019年7月29日 17時) (レス) id: 955d73cb24 (このIDを非表示/違反報告)
まあこ - 以前にリクさせて頂いた者です！書いて下さりありがとうございます！更新が上がってるのを見てもしや！とテンションが上がり、読ませて頂いて胸がドキドキして1人で悶えさせて頂きました！(笑)悶々とする安田くんほんとに最高でした！めちゃくちゃ嬉しいです！ (2019年7月29日 13時) (レス) id: 33083b39c7 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆いよいよ大阪はじまりますねっ！たーっぷり愛を受け止めてきてください(≧∀≦) ちなみに私は自分史上最高の席で受け取った愛の余韻からまだ抜け出せてません(〃ω〃)笑 (2019年7月27日 7時) (レス) id: 955d73cb24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめまめた
| 作成日時：2019年6月12日 10時
