・ ページ46
映画の後は遅めの昼食をとりつつ、キャストやストーリーについて熱く語る丸山さんを堪能し、
街をプラプラし、大型書店でのんびりと本を物色した後、
美味しいお惣菜とワインを仕入れて我が家に向かう。
という、すっかり定番化した流れ。
だけど、今日こそは！とあたしは決意を固めていた。
いや、
��ちゃんと言いたいこと言うてくるんやで？
せやないと、もう愚痴聞いたらん！��
というヤスの励ましという名の脅しに負けたと言うべきか…
どちらにせよ、一歩踏み込む決意を胸に、今日のデートに臨んだのだ。
「ーー丸山さん…
今日は、ウチじゃなくて、丸山さんの家じゃ、駄目ですか…？」
当然のようにウチに向かうルートを行こうとする丸山さんを引き止めて、あたしは提案した。
そう、至って普通の提案だ。
だからこそ、出来るだけ大袈裟にならないように、
��たまには丸山さんの家がいいな〜��
という軽いノリで言いたかったのだが、
残念ながら口から飛び出した己の声は、どう聞いても緊張感が溢れていた…
「え…？」
だが、あたしの態度も大概不自然だったと思うが、丸山さんの反応はそれ以上に不自然だった。
「っ、いや、ウチは今日はちょっと…ほら、片付けとか全然してへんからっ、無理やなっ
今度っ！今度はウチにして、今日はAちゃんちでええやろっ？」
あからさまに揺れる視線。
早口で捲し立てる上擦った声。
不自然に浮かべられた笑顔。
どれをとっても、丸山さんが困っていることをこれでもかと言うほどはっきりと教えてくれた。
��三度目の正直��ならず、
��二度ある事は三度ある��
今日もあたしは丸山さんのテリトリーに足を踏み入れることは出来ないようだ。
付き合ってもうすぐ半年。
名前で呼んでもらえるようになって、
結構マメに連絡をくれて、
週末のデートの後にはウチに泊まることも当たり前のようになって、
恋人同士の定義に当てはまる事はこなして来た。
それでも未だに��お試し期間��の延長なのだと思う理由はこれだ。
「ーーそう、ですよね、突然過ぎましたね…
じゃあ、まあ今度。
今日はウチで。」
ーー丸山さんは、あたしを家に呼んでくれない。
やんわりとアピールするもやんわりとかわされた過去２回。
今日は真正面から直球勝負にでたものの、
見事、玉砕。
そして、はっきりと分かってしまった。
丸山さんは、
あたしを家に呼びたくないようだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1311人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まめまめた(プロフ) - 渡璃凛さん» 渡璃凛さん☆はじめまして！コメントありがとうございます！文才なんて恐れ多いっ( ；´Д｀)誤字脱字だらけののろのろ更新ですが、引き続きよろしくお願いします(^^) (2020年9月9日 13時) (
レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
渡璃凛(プロフ) - 初めまして！更新めっちゃ嬉しいです！その文才本当にリスペクトしております、、！更新頑張ってください！！ (2020年9月5日 14時) (レス) id: d9624783f4 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆パワーワード笑確かに！笑 (2020年7月13日 12時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - こんにちはm(_ _)m「章ちゃんの相方ちゃん」…なんてパワーワード…呼ばれたい…(ストーリーの主旨と離れててすみません) (2020年7月5日 22時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - あーばるさん» あーばるさん☆コメントありがとうございます！他の作品も読んでいただいているとは、有り難し( ´∀｀)今のところ丸山さん出番少ないですが、ここから出番が増えますので、お楽しみいただけるようがんばります！ (2020年7月5日 19時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめまめた
| 作成日時：2020年1月28日 14時
